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【レコチャイ】10年後にサムスンが滅びる?韓国の半導体・ディスプレイ業界が焦る理由は
半導体をはじめとする国家戦略技術を対象に施設投資税額控除率(投資控除率)を引き上げることを骨子とした、いわゆる「Kチップス法」(租税特例制限法改正案)が14日から国会企画財政委員会租税小委員会で協議されたが、合意に至らなかった。今後の日程も決まっていない。16日、韓国・マネートゥデイは「半導体・ディスプレイ業界は中国、米国などの競争国にトップの座を奪われかねないと焦っている」と伝えた。
与野党は税額控除率の水準を巡って対立したという。政府提案は大企業と中堅企業を8%から15%に、中小企業を16%から25%に上げるというもの。与党はこの案をそのまま通過させるべきだと主張したが、野党側が税額控除の規模が大きすぎると反発した。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は当初、税制支援の追加拡大案を検討すべきだとして、税額控除額を増やした。世界的な景気低迷と半導体・ディスプレー需要急落の懸念は出ているものの、むしろ投資を増やし技術競争力を引き上げるべきだという業界の意見を反映したという。しかし国会は昨年末、中堅と中小企業の税額控除率は据え置き大企業に対してのみ6%から8%に上げる改正案を通過させた。
これに「大企業と財閥だけへの特恵だ」との声が上がっているが、半導体業界は「産業構造を無視した政治的攻撃だ」と反発しているという。業界関係者は「大企業が主導する産業で、誰が投資できるのか」「欧米、日本、中国、その他の国も大企業が主導している。国家代表戦で、他国は銃も大砲ももらっているのに、韓国だけ丸腰で戦えと言われているようなものだ」と話している。
韓国経済研究院も、15日に出した報告書で「主要国は半導体産業を未来国家競争力を左右する基幹産業として認識し、育成のために規制を緩和し大規模支援策を発表しているが、韓国の国会はこれを無視している」と述べている。
ディスプレイ業界は「適切な投資時期を逃せば、トップの座を奪われる」「中国メーカーの追撃が加速化している状況で投資が遅れた場合、かつての日本のように後発走者に転落しかねない」と懸念しているという。
記事は「OLED市場は韓国の主要企業が先導しているが、投資が遅れると中国にその座を明け渡すことになりかねない」と伝えている。ディスプレイ業界によると、韓国と中国の技術格差は僅か3~5年ほど。業界関係者は「5~10年後の懸念という程度ではなく、企業そのものが消えるかもしれない問題だ」と話しているという。
この記事に、韓国のネットユーザーからは「結局、政治家が足を引っ張る」「国会議員がこの国をだめにする」「サムスンが崩壊すれば国もそうなる。為政者選びは慎重に…」「台湾も中小企業育成から大企業に転換してTSMCが国富となった。韓国はサムスンやLGを守ることもできないのか?」といったコメントが寄せられている。
一方、「控除が受けられず滅びる会社は、控除を受けても滅びる。雀の涙のような稼ぎの国民から税金を集めて、財閥の税金を控除するだと?」「滅びる?収益がちょっと減るくらいでしょ」「滅びてしまえばいいよ。違う産業が立ち上がる」「若者が生きづらいこんな国、滅びたらいいんじゃない?」といった声も多く上がっている。(翻訳・編集/麻江)
Record Korea 2023年2月20日(月) 7時30分
https://www.recordchina.co.jp/b909401-s39-c20-d0195.html