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韓国が「まさかのマイナス成長」に転落…そのウラで見えてきた世界経済の「無慈悲な現実」
2022年10~12月期、韓国の実質GDP(国内総生産、速報)は前期比で0.4%減少した。
経済成長率はマイナスに転じ、景気は失速した。
背景にはいくつかの要因がある。
まず、韓国経済の成長を支えてきた半導体などの輸出は大きく減少した。
韓国政府は1月の輸出の落ち込みは中国の春節休暇の影響による部分が大きいとしている。
ただ、先行きは楽観できない。
また、インフレ鎮静化のために韓国銀行(中央銀行)は1月まで7会合連続で政策金利を引き上げた。
金利の上昇によって、高騰してきたマンション価格など不動産市況の悪化懸念は高まっている。
金利上昇は債務残高が増加してきた家計などの利払い負担を増やし、個人消費も減少した。
短期間で韓国経済が右肩上がりの展開に回帰する展開は想定しづらい。
むしろ、短期的に韓国経済の下振れリスクは高まりやすい。
米国では、ペースは鈍化しているものの依然としてインフレは高水準にある。
FRBは追加の利上げを行い、インフレ鎮静化に取り組むと予想される。
それによって、韓国の対米輸出にもより強いブレーキはかかりやすくなるだろう。
深刻化する半導体輸出などの減少
現在、韓国経済はかなり厳しい状況に直面している。
特に負の影響を与えているのは、サムスン電子とSKハイニックスが事業運営体制を強化してきたメモリ半導体の市況悪化が止まらないことだ。
コロナ禍の発生による一時的なスマホやパソコン需要の急増の反動減によって、短期的にメモリ半導体の価格下落は続きそうだ。
それに加えて、“ゼロコロナ政策”が終了した中国経済の持ち直しにも時間はかかる。
動線が修復されたことによって、強引な行動規制などによって抑圧された需要は反発する。
ただ、中期的に考えた場合に、景気回復にはより多くの時間とコストがかかる可能性は増している。
そう考える要因の一つとして、スマホ需要の減少は軽視できない。
2022年、10年ぶりに中国のスマホ出荷台数は3億台を下回った。
一つの見方として、人々の節約志向は一段と強まっているようだ。
1月、中国の生産者物価指数(PPI)は前年同月比0.8%下落した。
企業の過剰生産能力は深刻化している。
わが国の電子部品や工作機械の需要減少を加味すると、中国の設備投資は伸び悩んでいる。
そうした状況を背景に、1月、韓国の輸出は大きく減少し、貿易収支は過去最大の赤字を記録した。
輸出主導で景気回復を実現してきた韓国にとって、外需の落ち込みは深刻だ。
また、韓国ではわが国以上に少子化が深刻化している。
内需は縮小均衡に向かっている。
近年、韓国ではソウル近郊を中心に首都圏の住宅価格は高騰し、家計債務残高は増加した。
物価高止まり、金利上昇によって個人消費の下押し圧力も高まっている。
(略)
ヤフーニュース(現代ビジネス)
https://news.yahoo.co.jp/articles/29c4525a9f8585218c8543fb1dec2a917a951ed6?page=1