昨年12月、元迷惑系YouTuber・へずまりゅうの“たばこ休憩”をめぐる投稿が波紋を呼んだ。内容は喫煙者の方が休憩を多くとっており不公平ではないか? というもの。この報道には、へずまへの批判の声も多かったが、“たばこ休憩”の是非については、賛同する声も少なくなかった。一体どのような意見をもっているのか。喫煙者と非喫煙者、双方に話を聞いた。
「知り合いの建設会社で朝から晩まで働かせてもらっています」と報告したへずまは、わずか6日後に「現場の人と喧嘩して仕事クビになった」と発表。「俺は休憩時間と言うものは平等だと思ってる」とつづり、喧嘩の原因を“たばこ休憩”だと明かした。
相手はたびたび現場を抜けていたといい、「これじゃあたばこを吸わない人は損してないか?」と持論を展開。「俺が間違っていると思う?」と問いかけた。
知人の紹介かつ新人という立場で物申したへずまには批判の声が多く集まったが、同時に「たばこ休憩は不公平」という声も多く寄せられた。
都内の小売会社に勤務する非喫煙者のSさんは、この件について自身の考えを明かした。
「うちは喫煙者がかなり多く、不満を口にする人はいません。ただ個人的には不平等だと感じています。喫煙時は比較的自由に現場を抜けることが許されていますが、仮に私が『ちょっとコーヒー飲んできます』と言ったら怪訝な顔をされるでしょう。建前は何でもいいので、非喫煙者にもプラスアルファの休憩があっていいと思います」
“たばこ休憩”は不公平と語ったSさんだが、そのうえで「不満を直接言うことはできない」と語る。
「不平等だとは思いつつも、作業効率や結果を見ると、非喫煙者より喫煙者の方が勝っていることもあるんです……。自分より会社にとって有用な存在を否定することはできない。唯一言えることがあるとすれば『それだけ仕事ができるなら、たばこを吸う時間がなければもっとできるのでは?』でしょうか。まあこれも直接は言えないですけど(笑)」
一方で喫煙者側はどう思っているのか。同社に務めるKさんは苦い表情で胸中を明かした。
「職種によって、たばこ休憩が及ぼす影響の大小はあると思っています。1人が数分抜けることで回らなくなるお仕事もあるでしょうし、良いか悪いかは状況次第。幸いうちは1人抜けても問題は起きません。ただ不公平という意見も理解できます。申し訳ないと思いつつも、私にとってはオンオフの切り替えをする上での重要なツール。禁煙という選択肢は今のところないです」
不公平という意見は理解しつつも、喫煙を続けるというKさん。非喫煙者より現場を離れる時間が多い分、働き方に工夫があった。
「メールの処理などスマホでできる仕事は喫煙時にするようにしています。非喫煙者の方より休憩時間が多くて、結果も出さないとなると批判されてしかるべき存在になってしまう。そうなると会社として喫煙を禁止せざるを得なくなる可能性もあるので、喫煙者は何かしらの努力や工夫が必要だと思っています」
また、Sさんの言う「たばこを吸う時間がなければもっとできるのでは?」という疑問にも回答した。
「たばこは百害あって一利なしとよく言われますが、それは非喫煙者にとっては、です。お金がかかる、健康に悪い、臭い等たしかに害はありますが、私にとっては生産性を向上させるために必要なアイテム。『たばこをやめればもっと結果を出せるのでは?』という疑問については、正直やめてみないと分からないです。非喫煙者だからといって1日中全力で働いているとは限らない。結局のところ、喫煙時間を効果的に利用できるかどうかはその人次第ではないでしょうか。私にとっては“やる気スイッチ”みたいなものなので、禁煙した場合、別のメリハリのつけ方を模索する必要があります」
たびたび話題に上がる“たばこ休憩”問題。喫煙に対する世間の風当たりは強くなる一方だが、この問題が解決する日は果たして訪れるのだろうか。
ENCOUNT編集部2023.02.19
https://encount.press/archives/419735/