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【証拠はアメリカに】韓国国防相「ベトナム戦争での民間人虐殺は全くなかった」…判決に真っ向から反論
「ベトナム派兵韓国軍による民間人虐殺は全くなかった」
イ・ジョンソプ国防部長官は、ベトナム派兵韓国軍による民間人虐殺について「国防部が確認したところによると、韓国将兵による虐殺は全くなかった」、「判決にも同意しない」と述べた。この発言は、ベトナム戦争に派兵された韓国軍による民間人虐殺と韓国政府の賠償責任を認めた7日の判決を否定したもの。
イ長官は17日の国会国防委員会全体会議に出席し、ベトナム派兵韓国軍による民間人虐殺について認めた地裁判決に対する見解を共に民主党のユン・フドク議員に問われ、このように答えた。イ長官は「当時の状況は非常に複雑だ。韓国軍の服装があったとしても(韓国軍では)ないケースが非常に多かった」とし「米軍の調査でも韓国軍による民間人虐殺はなかったという結論が出ている」と語った。また「裁判の過程で様々な資料を確認し、証人も確認してみたが、私たちが確認したところでは民間人虐殺はなかった」と付け加えた。イ長官はさらに、「当時、駐ベトナム韓国軍のチェ・ミョンシン司令官も民間人虐殺は絶対にするなと真っ先に強調していた」とし、「ベトナムに派兵された将兵の名誉を考えてもそうだし、この部分を重く考えている」と述べた。
ソウル中央地裁は7日、1968年2月にベトナムのクアンナム省フォンニィ・フォンニャット村で韓国軍が70人あまりの民間人を虐殺した事件で家族を失い、自身も重傷を負ったとして、当時8歳だったベトナム人グエン・ティ・タンさんが大韓民国を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、原告勝訴の判決を下した。裁判所は「被告大韓民国は原告に3000万100ウォンと、これに対する遅延損害金を支給せよ」と命じた。裁判所はベトナム戦争参戦軍人や現地の民兵らの証言をはじめとする様々な証拠を審査し、グエン・ティ・タンさんの主張をおおかた認めるとともに、「このような行為は明白な不法行為に当たる」と述べた。判決後、国防部は「控訴するかどうかについては法務部と議論して決める」と述べている。
韓国軍によるベトナム戦争での民間人虐殺問題は、1999年初めの「ハンギョレ21」による報道で本格的に提起され、その後、具体的な事実が明らかになり、市民団体が事実を認め賠償するよう求めていたが、政府は全面否定してきた。2020年にグエンさんが訴訟を起こしてからも、証拠がない、当時のゲリラ戦の特性上、正当な行為だった、などの理由をあげて責任を否定している。
イ・ジェフン記者
登録:2023-02-18 04:17 ハンギョレ新聞
https://japan.hani.co.kr/arti/politics/45953.html