「女性の8割が職場での義理チョコをあげたくないと思っている」「男性も6割がもらってうれしくない」――。調査会社「インテージ」は、14日のバレンタインデーを前に行ったこのような意識調査結果を明らかにした。新型コロナウイルス禍や社会の変化とともに、職場における「義理チョコ」文化も消えつつあるようだ。
調査は全国の15~79歳の男女2633人を対象に、2023年1月にインターネットで行った。その結果によると、「義理チョコを渡す」と答えた女性は全体(1325人)の8・2%にとどまった。
また、現在職に就いている男女それぞれに「職場の義理チョコをどう思うか」と尋ねた質問では、「あげたくない」と回答した女性が82・8%と大多数を占めた。20~70代の年代別にみると、「あげたくない」の回答比率は最も低い20代でも75・4%で、それ以外の年代では8~9割程度を占めた。
調査を担当した同社の生活者研究センター・田中宏昌センター長は、義理チョコをあげない理由について「新型コロナ禍を機に他人との関わり方を見直す風潮が広がった結果として義理チョコを渡すという儀礼的なことをやめたり、そもそも出社機会が減ったことによりやめる理由ができたりしたことがあるとみられる」と分析している。
男性でも、義理チョコを「もらってうれしくない」という回答が全体で61・4%と過半数だった。「ホワイトデーのお返しが面倒だから」「形式的になっているから」といった理由が多かった。40代の比率が最も高く、7割以上が「うれしくない」と答えた。ただ、20代に限っては「もらってうれしい」という回答が過半数だった。理由としては「職場の人たちと懇親が深まるから」「イベントとして楽しめるから」「普段自分では買わないようなチョコやスイーツが食べられるから」といったものが多かった。【町野幸】