なぜ隣に? 「トナラー」の心理とは
大型商業施設などの広い駐車場で、周囲はガラガラに空いているのに、わざわざ隣に駐車してくるドライバーがいます。
こうした駐車をする人を、一部では「トナラー」と呼ばれています。
ではたくさんスペースの空いている駐車場で、わざわざ隣を選ぶ心理とはどのようなものなのでしょうか。
トナラーとは、広い駐車場でわざわざ隣に駐めてくるクルマのことを指し、特に駐車スペースがいくつも空いているようなスカスカの駐車場であっても、隣に駐めてくるクルマのことをいいます。
例えばスーパーやコンビニなど商業施設の駐車場では、お店の出入り口の近くから埋まっていくことが一般的であり、駐車しているクルマの多い入り口付近で隣に駐めるクルマは、トナラーとは呼ばないでしょう。
一方で、広い駐車場であえて入り口から離れたクルマが少ないところに駐めたのに、わざわざ隣に駐車されると不快感や違和感を持つ人もいるかもしれません。
SNSでは、「トナラーがイヤだからいつもお店の入り口からいちばん遠いところに駐車する」「ほとんど空いているのになぜ隣に駐めるのか」「ドアパンされないか不安になった」など、トナラーに対してネガティブな印象を持っている人の声も多数見られます。
ではなぜいくつもスペースが空いている駐車場で、あえて隣に駐めるのでしょうか。
これについて、人によって理由が異なるため、真相の解明は難しいものの、実際に起きた例からトナラー傾向が見えてきました。
まずひとつに、自分と同じ車種や好きなクルマの隣に駐めたいからという理由が挙げられます。
SNSにも「同じ車種を見つけたから隣に駐めた」「めずらしいクルマと並べて写真を撮った」など、積極的に隣に並べて駐車しているというユーザーも存在します。
そのほか憧れのクルマや、なかなか出会えないスポーツカーなど、自分のクルマと並べて眺めたり記念撮影をしたりしたいという人がいるようです。
次に、高級車やきれいに乗っているクルマを狙って隣に駐車するというタイプです。
駐車場によっては隣のクルマとの間隔が狭いところがあり、クルマのドアの開閉時にぶつけられてしまう「ドアパンチ」を警戒して、高級車の隣に駐めたいと思う人がいます。
高級車だけでなく、きれいに乗っていることがわかるクルマなども、自分のクルマもキズになってしまう可能性のあるドアパンチをしないよう注意してくれるだろうという考えです。
同じ理由で、構造的にドアパンチが発生しにくいスライドドアのクルマの隣を選ぶという人もいます。
隣が空いていると後からどんなクルマが駐車するかわからないため、すでに駐まっているマナーの良さそうなクルマの隣を狙って駐車するということです。
ほかにも、初心者や駐車に苦手意識を持っている場合、駐車場に引いてあるラインよりも、隣のクルマを目印にして駐車するほうが駐めやすいことがあることから、隣のクルマを目印にして駐車している人も。
特に、いつも隣のクルマを目印にして駐車しているという場合は、どんなにスカスカな駐車場であっても、既に駐まっているクルマの隣でないと駐車できないということもあるようです。
それ以外にも、いつも駐める場所を決めている人は、隣にクルマがいても自然と「いつもの場所」に駐車するといいます。
そしてそもそも何の意図も悪気もなく、隣に駐める人もいます。
「トナラー」について不快に思う人がいる一方で、あえて隣に駐めている人も一定数いて、あえてトナラーとなっている人の中には、積極的に隣を選んでいる人や、そこにしか駐められない人などさまざまなタイプがいるようです。