「『全国トップクラスの名門公立高校・千葉高校(偏差値75)にて現金盗難事件が多発し、学校側がなんの対策もしないため生徒らが自主的に無人の教室へスマホを設置したところ、窃盗犯(生徒)の撮影に成功→学校側へ提出するも窃盗犯が一切処分されず被害者への説明もなかったどころか、教諭が撮影した生徒らへ〈動画をすぐに消せ〉〈警察には絶対に言うな〉と口止めした件を取り上げてほしい』というDMを頂きましたが、窃盗犯にも未来があるため取り上げません」
13日午後、ある著名インフルエンサーアカウントが、タレコミがあったという盗撮動画をSNS上に投稿。公開された動画では、教室内と思われる場所で、マスクをした生徒と思われる少年が辺りを警戒しながら机の中などを物色する様子が収められている。投稿はわずか1日で4万件のリツイート、2996万件を超える閲覧数を記録するなど大きな反響を呼んでいる。
ENCOUNTは14日、拡散された情報の事実関係について千葉高校を取材。副校長が電話取材に応じた。
――拡散した動画は貴校の教室で撮影されたもので間違いないか。
「本校の校内で撮られたものに間違いありません。また、撮影は本校の生徒によるもので、拡散した内容は概ね事実です」
――教員から口止めやもみ消しを図るような指導はあったのか。
「そこは本校の理解とは齟齬(そご)があるところになります。撮影者の生徒に動画を消してとは言いましたが、それは証拠隠滅のためではなく、生徒個人の端末に仮に拡散すると大変なことになる動画を保管しておくのは適切ではないと判断したからです。加害者の人権への配慮もある。他の生徒にもいたずらに情報拡散しないでほしいと伝え、動画は学校で別に保管していました。生徒による盗難事件ということで、慎重にならざるを得ない状況だったが、その意図が生徒には伝わりづらかったのかもしれません」
――盗難事件の時期、件数、被害額は。
「本校に限らないことですが、ここ1~2年、特にこの1月に入ってから多かった。学年集会で注意喚起をしたり、警察に相談したり、職員による巡回を強化したりしていました。個別の件数については申し上げられませんが、数件ということです。被害額も詳細については差し控えさせていただきたいですが、ちょうどお年玉の時期ということもあって、生徒にとっては大きな金額だったと思います」
――盗難をした生徒、動画を拡散した生徒に対する今後の対応は。
「盗難の加害者については、学校の規定に沿って特別指導をすることになります。警察への被害届の提出は、学校からどうこう言うことがなく、被害に遭われた各ご家庭の判断になります。動画を(インフルエンサーに送って)拡散した人物については、まだ誰か分かっていません。本校の生徒ではない可能性もあります。犯人捜しのようなことはしたくないですが、警察に相談しながらということになります。拡散させた生徒が判明した場合には、(加害者の)個人の人権の部分もありますので、校内の規定にのっとって指導することになります」
千葉高校では14日、ホームページ上で「本校に関するネット上の情報について」という文章を発表。「現在、当該生徒への指導及び被害生徒へのケア等の対応を行っているところであり、今後も、全ての生徒が安全・安心な学校生活が送れるよう、警察とも連携しながら教職員一丸となって取り組んでまいります。なお、生徒及び保護者の皆様には、後日、改めて御説明させていただく予定です」としている。