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「いい球投げてますよね」多田野数人、かつてのライバル和田毅に熱い視線
「このキャンプ中に700球近くは投げたいですね」。21日に42歳の誕生日を迎えるとは思えないほど爽やかに、和田は流れ落ちる汗を拭った。「徐々にではあるけど、いい感覚も出始めてます」。柔和な笑みを浮かべる姿に、手応えの良さが感じられた。
そんな左腕の仕上がりの良さに、かつてのライバルも太鼓判を押した。今年から日本ハムの「先乗りスコアラー」を務める多田野数人氏だ。和田と同じ「松坂世代」の一人でもある多田野氏は2008年から14年までの7年間、日本ハムで通算18勝を記録。その前には米大リーグにも挑戦しており、04年にインディアンス(現ガーディアンズ)で1勝を挙げた実績の持ち主でもある。
この第2クール中、ホークスのキャンプ地に連日足を運んだ多田野氏は、和田のブルペン投球を2度視察したようで「いい球投げてますよね。きょうはおととい(7日)よりも球に力があった。投球フォームも昔とさほど変わりがなく、本当にすごい投手だなと改めて感じてます」と正直な感想を口にしていた。
東京六大学では多田野氏が立大、和田が早大のエースとして、何度も緊迫した投げ合いを演じた。そんな経験から、今でも和田は「自分たちの世代でもトップクラスの投手。多田野と投げ合うときは、先に点を与えたら負けと思って必死でしたからね」と尊敬の念が色あせることはない。
9日もブルペン投球直後、和田の方から「どうだった?」と自身の状態を確認するシーンが見られた。ペナントを争うライバル球団の“偵察隊”とはいえ、互いを認め合う関係だからこそ感想を求めたのだろう。「この年齢で第一線でやり続けている。それだけでもすごいのに、ローテ争いまで。本当に頭が下がります」。かつてのライバルの言葉は、和田にとって最高の励みとなることだろう。(石田泰隆)
西日本スポーツ 東京六大学の最強ライバル「本当に頭が下がります」和田毅が今も敬意を払う「松坂世代」の熱視線
https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/1051921/
ブルペンで投球する和田(右)を見つめる日本ハム・多田野スカウト(撮影・栗木一考)
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