阪神・岡田監督、ＷＢＣ選出の湯浅京己が心配　公式球で投球も「自分のイメージするボールではない」

シーズン本番の方を見据えているのか。阪神・岡田彰布監督（６５）がＷＢＣ公式球に苦戦中の守護神候補・湯浅京己投手（２３）を心配している。

侍ジャパンに初選出された、昨年最優秀中継ぎ右腕は９日に今キャンプ初の実戦形式となるシート打撃に登板。ＷＢＣ公式球で投球し、球速は１５５キロを計測したが、試行錯誤もあって植田ら控え組の４人に３連打を浴びるなど不安をのぞかせた。それでも湯浅は「感覚良く投げられたボールも、そうではなかったボールもあった。でも、初めてにしては良かった」と手応えを口にし、翌１０日もブルペン入りし、微調整を加えた。

しかし、岡田監督の見立ては不安のオンパレードだ。「どうも（ＷＢＣの）ボールの影響でフォークとか落ちにくいという感じがする。スピードも１５０以上出てたけど指のかかりが悪いのか、空振りが取れないでいる。フォークも半分くらい抜けていた。自分のイメージするボールではないな」

湯浅のＷＢＣ本番での活躍を願っているのは当然だが、チーム１８年ぶりのＶ奪回を託された岡田監督にとっては〝ＷＢＣ戦後〟の湯浅の状態が気になるところだ。今回の宜野座キャンプ、１７日からの日本代表合宿、そして３月２１日のＷＢＣ大会決勝戦までなら２カ月近くもＮＰＢの公式球より少し大きめのＷＢＣ球を使用することになる。同３１日のシーズン開幕にはまず万全で臨むことは難しい。

指揮官は代役の抑え候補に２年目のカイル・ケラー投手（２９）らでやりくりしようともくろんでいるが、一方、当の湯浅がどのくらいの再調整でシーズン本番に戻れるかという懸念も出てくる。

「やっぱり戻ってきたら戻ってきたで簡単にはいかない。長いこと、違うボール使ってたらおかしくなる。そもそも（湯浅は）実働１年で経験も浅い」とこぼしていた岡田監督。

悩みはつきない…。　（岩崎正範）