映像会社UUUMに所属し、神奈川県内で音楽活動する4人組バンド系YouTuber「夕闇に誘いし漆黒の天使達」が、とんだ騒動を起こしたのだ。まずは経緯をみていこう。
80代女性が経営する神奈川県内のうどん店を訪れたメンバー4人は、それぞれが異なるメニューを注文。店主は一人で切り盛りしていることを説明し、時間がかかる旨を説明。4人に急いでいないかを確認する様子が、動画に映っていた。
ところがメンバーは、食事が提供されるまでに40分を要したことに憤慨。「急ぐ気がなかったのが腹立ちましたね」「本当○○店やね。飲食界の○○やね、あんなもんは。飲食の権利ない」「ムカつく、しね」と暴言を連発し、営業妨害になりかねない動画を拡散させている。
撮影、は昨年10月だったが、スシローをはじめとする外食産業への迷惑動画が社会問題する中で、同グループの迷惑動画が今月に入って浮上。神奈川拠点のラジオ局FMヨコハマは2月8日、同グループの番組を直ちに終了する神対応を即決した。
FMヨコハマのサイトには「土曜の深夜2時から放送されている『めっちゃラジオ』について、番組DJ『夕闇に誘いし漆黒の天使達』出演動画に関して報道された事案の重大性に鑑み、2月4日の放送をもって終了とさせていただきます」と説明されている。ネットライターが言う。
「『夕闇に誘いし漆黒の天使達』の企画は、ネット上でレビュー0のお店に押しかけて勝手に評価するものでしたが、うどん店はご主人がなくなり、残された奥さんが交通事故による後遺症が残る不自由な体をおして、常連さんのためにひとりで営業していた。皮肉なことに、迷惑動画に憤慨した視聴者が応援のために店に押しかける善意が、アダとなっている現実もあります」
常連客が利用できず、店主の負担が増しているというのだが、
「メンバーもUUUMも視聴者も、ネットコンテンツがエライと勘違いして、現実が見えていない。どんなふうに育ったら、勝手に押しかけた店の高齢女性を『ムカつく、しね』と罵倒する人間になるのでしょうか。地元神奈川に密着したラジオ局が激怒して番組を即終了させたのは当然です」(地元記者)
これにはITメディア記者も、
「彼らが所属するUUUMはYouTuberのパイオニアたるHIKAKINや、はじめしゃちょー、ガチャピン、ムックら人気YouTuberをマネージメントする一方で、21年10月にはCEOが不貞相手を高級マンションに囲うスキャンダルを写真週刊誌にスッパ抜かれるなど、企業コンプライアンスが乱れている。高齢女性店主を罵倒する動画を拡散させるような行為が少なからず、いじめ自死や外食チェーン店での迷惑動画の煽動につながっていると言っていい。うどん店主は動画を見ていないようですが、名誉毀損で訴えてもいい案件だと思います」
迷惑動画を根絶させなければ、やがてはYouTubeコンテンツ離れが加速するかもしれない。