【東京新聞】ウクライナを逃れた「高麗人」がルーツの韓国で直面する苦境…無国籍で言葉が不自由、職探しも困難

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【東京新聞】ウクライナを逃れた「高麗人」がルーツの韓国で直面する苦境…無国籍で言葉が不自由、職探しも困難

1: 仮面ウニダー ★ 2023/02/11(土) 16:03:43.56 ID:DeTNK7Ef
 ロシアが侵攻したウクライナからの避難民約3000人が韓国に滞在している。大半が朝鮮半島にルーツを持つ「高麗人」で、韓国の高麗人コミュニティーが支援してきたが、政府の動きは鈍い。避難民の多くが韓国語を話せず、在留資格が不安定で職探しも難しく、苦境に立たされている。

 旧ソ連諸国の高麗人 
19世紀に朝鮮半島の農民らがロシア沿海州に移住したが、ソ連最高指導者スターリンは日本のスパイとなると警戒し、1937年に17万人を中央アジアに強制移住させた。今も旧ソ連諸国などに50万人が暮らす。

◆先祖は強制移住で苦しんだ
 「プーチン(大統領)が領土を拡大しようとした戦争で故郷を追われた」
 韓国南西部の光州市でムン・エレナさん(23)は怒りを隠さない。昨年3月、姉(29)やおい(3つ)ら親族9人とともにウクライナ南部オデッサを脱出。2カ月余り隣国モルドバやルーマニアの教会などで寝泊まりし、最後は高麗人コミュニティーを頼りに韓国に渡った。

 2000年代以降、旧ソ連から韓国に移住する高麗人が増え、光州市には約7000人が暮らす。支援の中心であるウズベキスタン出身のシン・ジョヤさん(66)は「私たちは強制移住で苦しんだ先祖を持つ。国を超えて助けよう」と訴える。1月末までに16億ウォン(約1億7000万円)の寄付が集まり、ウクライナ周辺から韓国に向かう高麗人875人の航空券を援助した。
 避難民には幼い子を連れた母親が多く、職探しは容易ではない。ジョヤさんらは米や野菜、おむつなどを避難民に届けてきたが、政府の支援は乏しく、避難民の生活は苦しい。

◆ルーツを重視したら無国籍に
 1月30日、ソウル近郊仁川市の病院でキム・イリーナさん(35)は急死した母の横でむせび泣いた。昨年10月、母のナタリアさん(56)と娘(3つ)を連れ、故郷のウクライナ南部ミコライウから逃れてきた。しかしナタリアさんは職探しに苦労した末に急性脳出血で亡くなった。イリーナさんはお金がなくて葬儀をすぐに行えず、遺体は病院にしばらく安置された。
 イリーナさんらは無国籍者という事情もある。朝鮮半島出身というルーツを重視する高麗人には1991年のソ連崩壊後、特定の国籍を選択しなかった人も多い。韓国政府などによると、韓国にいるウクライナ避難民約3000人のうち1割近くが無国籍とみられる。

 韓国政府は従来、無国籍でパスポートを持たない外国人に長期滞在ビザを発給しなかった。しかし避難民の窮状が報じられると、パスポートがない場合もビザ延長を認めた。ナタリアさんの死去と同じ日だった。
 高麗人文化センターの金映淑キムヨンスクセンター長は「避難民は経済基盤が弱く、家賃や医療保険を払えない懸念がある。政府は支援策を急ぐべきだ」と訴える。

2023年2月11日 06時00分
https://www.tokyo-np.co.jp/article/230500


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