2月8日、またしても「ブラック校則」が報じられ、物議をかもしている。
NHKによると、1月25日の朝、広島市内で雪が強まるなか、市立中学2年の男子生徒がジャンパーを着て登校したところ、校門で教員に呼び止められ、着てこないように指導された。生徒はジャンパーを脱ぎ、下校する際も着なかったところ、翌日から発熱し、2月1日まで欠席したという。
この日はこの冬一番の強い寒気が流れ込み、気象台の観測では、広島市の最低気温はマイナス4.2度。最高気温も3.1度だった。
同校の校則にあたる「生徒指導規程」では、寒いときにセーター、マフラー、手袋などの着用は認められているが、ジャンパーやコートは記載されておらず、学校では認めていない。
NHKの取材に対し、学校側は「決められたルールは子どもの安全や安心のために守る必要がある。現時点では、病気などの個別な理由を除き、認めている防寒着で寒さに対応できると考えている」とコメント。一方、生徒の保護者は「ルールがおかしいと認識し、改めてほしい」と話しているという。
実業家のひろゆき氏は、2月9日、自身のTwitterにNHKのニュース記事を添付したうえで、こう苦言を呈した。
《最低気温マイナス4.2度の日に上着を脱ぐという校則を守らされた中学生が発熱。こうして、学校教師は頭が悪いし、信用出来ないと考える児童が増えるわけです》
作家の乙武洋匡氏も同日、自身のTwitterでこう疑問を呈した。
《下記の人は、教育者として適正があると思いますか?
・マイナス4.2℃の日に「校則だから」とジャンパー着用を認めない。
・その校則に疑問を感じていない。
・疑問を感じていても変える気がない》
タレントのJOYも同日、自身のTwitterにこう書きこんだ。
《全く生徒に寄り添ってないし柔軟性もない。いつまでもアップデートされない校則に振り回される生徒達を思うと気の毒》
SNSでは、ほかにも学校側を批判する声が多くあがっている。
《この中学校は、気合いで寒さに打ち勝て、とでも言いたいのか。臨機応変に防寒上着の着用はできないのかな》
《市教委も校長もこれでよいと思っているのか。臨機応変の対応ができない「教師」では、先は暗い》
《もはや虐待だと思います。『暑さ・寒さ』に対する服装は、生徒たち各自の判断に任せるべきではないでしょうか》
1月29日には、毎日新聞が、鹿児島市内の高校で生徒の防寒着に制限をもうける「ブラック校則」があることを報じていた。毎日新聞が情報公開請求したところ、「オーバー・ジャンバーコート等の着用は認めない。ただし、生徒指導部の異装許可がある場合はこの限りではない」と記されていた。
コラムニストの犬山紙子氏は、2月9日、自身のTwitterにこう書きこんだ。
《先日鹿児島でも同じような防寒を認めない校則のニュースがあったけど、これらの学校は氷山の一角なのかもしれない。防寒を認めない系の校則は一律即刻廃止に向けて、文科省が動く必要があるのでは》
校則を守った結果、発熱したのではやりきれない。学校現場は、いったい何を守っているのだろうか