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あのころの〝熱〟はどこへ… 武田修宏氏がJリーグに緊急提言「危機感を持たないと」
満員の観衆が盛り上がった1993年のJリーグ開幕戦
サッカー元日本代表FW武田修宏氏(55=本紙評論家)が、Jリーグに緊急提言だ! Jリーグは今季で30周年を迎える。さまざまなイベントを仕掛けて盛り上げを狙うが、同氏は2月17日のJ1開幕を控え、メモリアルシーズンに向けた〝熱〟を感じる機会が少ないことに危機感を募らせている。Jリーグ全盛期を知る元ストライカーは、あのころの輝き復活へ、さらなる奮起を促した。
1993年5月15日にスタートしたJリーグにとって今季は大きな節目。25日には都内で「30周年オープニングイベント」を開催し、コンセプトワード「よっしゃ いこ!」やプロジェクト概要などを発表した。4月からサッカー番組「KICK OFF」の全国放送を予定しており、7月の中断期間に、海外強豪クラブを招いた試合開催も調整している。
武田氏は指導の勉強を兼ねて、ミハイロ・ペトロビッチ監督率いるJ1札幌など、Jクラブがキャンプを張る沖縄で複数チームを訪問中。特別なシーズンでの盛り上がりを期待したい思いとは裏腹に不安を感じている。「現場に来ると(カタールW杯で健闘した)日本代表の盛り上がりが、Jリーグに反映されていないように感じる。ファンや報道陣の数もちょっと寂しいしね」。Jリーグ側と、現場レベルでは〝温度差〟があるようだ。
それだけに、武田氏は「Jリーグはテレビ番組や(海外クラブとの)親善試合もやろうとしているし、2024年からJ1が20チームになることも決まっているけど、30年前に10クラブでJリーグの開幕ピッチに立った一人として、あの盛り上がりを取り戻すために、まだまだやるべきことがあるんじゃないかなと思う」と訴えた。
さらに「今年は野球のWBC(3月)、バスケットボールのW杯(8月開幕、日本=沖縄、フィリピン、インドネシア)、ラグビーのW杯(9月開幕、フランス)もあるからね」とも指摘する。国民的スポーツの野球はもちろんのこと、19年ラグビーW杯日本大会では〝にわか〟も巻き込んで日本中が熱狂した。どのビッグイベントも日本が躍進すれば、Jリーグが、かすんでしまう可能性は極めて高い。
それだけに「イベントをやるのもいいけど、Jリーグは危機感を持たないとね。何とか踏ん張ってほしい」とゲキを飛ばした。Jリーグ30周年シーズンは、人々にどのように記憶されるのだろうか。