地域住民からは生活に対する不安の声が聞かれました。
JA鳥取いなばグループのスーパー「トスク」は、赤字が続き業績の改善が見込まれないとして、来年度中に本店を含む県内の店舗をすべて閉店する方針を固めました。
現在、鳥取県東部に9つの店舗を展開するトスク。
ピーク時の1992年には、県内に24店舗を展開していましたが、近年は、大手スーパーやディスカウントストアなどの出店が相次いだことから売り上げが低迷していました。
店舗の数を整理するなど経営の立て直しに取り組んでいましたが、最近は3期連続での赤字となり、今年度も赤字となる見込みです。
関係者によりますと、業績改善に向けた見通しが立たないことから、トスクは来年度中にすべての店舗を閉鎖する方針を固め、関係者への説明を始めたということです。
記者 齊尾和之
「若桜駅前にあるトスク若桜店です。長年にわたって地域住民の生活を支えてきたスーパーマーケットです」
1981年10月に開店した「トスク若桜店」。
町によりますと、個人商店はあるものの、現在、同じような規模の店舗は町内にはなく、コンビニエンスストアもありません。
若桜町民
「困りますね、いままでここが頼りでね。わたし大阪から来て30何年になるんですが、ずっとここでお世話になっていましたからね」
若桜町民
「(買い物は)1週間に2回ぐらいですかね」「(ここがやっぱり頼りですか?)ですね、他にないんですよ」
実質、町民の生活を長年にわたって支えてきた若桜店。
6キロほど離れたところに「トスク丹比店」がありますが、この両店が閉店するとなると、地域住民の生活に支障が出るのは明白です。
若桜町民
「利用しているのここだけですから。もう少し小規模でも、お店ができたらありがたいですね。このままだったら絶対成り立たないですね、若桜町の生活がね」
山間部や高齢化の進む中心市街地の生活基盤の一部を担っていた店舗の閉鎖。行政にとっても大きな課題を突きつけられることになります。