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【韓国】文政権の執権4年間、住宅価格82%上昇、青年体感失業率は過去最高27%
文政権が発足後に掲げた経済キーワードは「所得主導成長」だった。「最低賃金引き上げ→所得増大→経済活性化→雇用拡大」が所得主導成長論の核心メカニズムだ。政権発足初年度の2017年、最低賃金委員会は最低賃金を16.4%引き上げたのに続き、18年には10.9%引き上げた。
政府関係者は成功を強調した。張夏成(チャン・ハソン)前青瓦台政策室長は「来年(2019年)には所得主導成長の効果を実感できる」と述べ、洪長杓(ホン・ジャンピョ)元経済首席秘書官は「所得主導成長のプラスの効果は90%」と主張した。しかし逆の効果ばかりが浮き彫りになった。
1-3月期の雇用率は58.6%と、文大統領が就任した2017年1-3月期(59.6%)より1ポイント低い。前政権と比較すると雇用の悪化が目立つ。各政権の4年目と就任年度の1-3月期を比較すると、文政権では就業者数が26万9000人増にとどまった。朴槿恵(パク・クネ)政権(168万8000人)の約6分の1、李明博(イ・ミョンバク)政権(99万1000人)の約4分の1にすぎない。
雇用の質は良くない。経済の要となる30代と40代の雇用は減少している。良質の雇用である製造業の就業者数は減少し、雇用が不安定な日雇い・臨時職は増加傾向にある。青年の体感失業率は2017年1-3月期の23.6%から今年1-3月期には26.5%と3.2ポイントも上昇した。過去最高水準だ。
淑明女子大経済学科の申世敦(シン・セドン)名誉教授は「最低賃金の急激な引き上げに負担を感じた企業と自営業者が採用を減らした影響が大きかった」とし「雇用指標が悲惨であるため、所得指標も同時に悪化し、また雇用が減少するという悪循環が繰り返される」と述べた。
不動産政策も国民を失望させた。文大統領は「不動産政策は自信がある」(2019年11月)、「投機との戦争で負けない」(2020年1月)、「急騰した住居価格を戻す」(2020年1月)と約束した。しかし現在は全国住宅価格の上昇、中産層の税負担、庶民の住居の苦痛という結果をもたらした
経済正義実践市民連合(経実連)が2003年1月から昨年12月までソウル市所在22団地内の6万3000世帯の相場を政権別に比較分析した結果によると、文政権の発足から昨年までソウルの82.5平方メートル(25坪)のマンション価格は6億6000万ウォンから11億9000万ウォン(約1億1600万円)へと82%も急騰した。政権別マンションの上昇幅は▼盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権2億6000万ウォン(83%)▼李明博(イ・ミョンバク)政権-4000万ウォン(-8%)▼朴槿恵(パク・クネ)政権1億3000万ウォン(25%)。文政権での上昇額5億3000万ウォンは過去18年間で上昇額8億8000万ウォンの60%を占める。
こうした住宅価格の急騰は「雷乞食」(成金の反対の概念で、自身も知らないうちに資産の格差が広がった人)を量産した。資産不平等を表す代表的な指標「純資産5分位倍率」は昨年166.54倍と、17年の99.65倍から大幅に拡大した。「純資産ジニ係数」も昨年0.602と、2017年(0.584)から上昇している。これら指標は数値が大きいほど資産の二極化が激しいことを表す。
建国大不動産学科のシム・ギョオン教授は「不動産供給不足ではなく投機が問題だと主張し、その後も不動産が落ち着かないため流動性のせいにするなど、最初から診断を誤った」とし「誤った診断に基づいてあらゆる政策を進めたため、政策はずっとこじれるしかなかった」と述べた。続いて「政府は庶民のためだと話していたが、結局、富裕層ばかりが暮らしやすくなる逆説的な結果を招いた」と指摘した。
急速に悪化する財政も文政権の「アキレス腱」だ。国家債務は文政権が発足した2017年の660兆ウォンから今年は965兆ウォンに急増する。同じ期間、国家債務比率は36%から48.2%に上昇する。2022年に国家債務比率が52.3%、2024年には59.7%に高まる。次の政権は「国家債務1000兆ウォン、国家債務比率50%時代」でスタートするということだ。
ヤフーニュース(中央日報)
https://news.yahoo.co.jp/articles/b35886a8c86da3df3434018dc283b3d17e05cb61