阪神　佐藤輝明ポイント前の「岡田スタイル」で柵越え14本「ひと安心したわ」岡田監督もホッ

　激変！　阪神佐藤輝明内野手（23）が岡田彰布監督（65）の“ポイントを前に指令”で大変身した。沖縄・宜野座の1軍春季キャンプ第1クール最終日の2日。フリー打撃で81スイングし、130メートルの特大弾を含む14本の柵越えを放った。キャンプ初日の1日はまさかの0発で、指揮官は差し込まれる弱点修正の新打法を伝授。規格外の飛距離を誇る大器が「岡田スタイル」で一気の覚醒モードだ。

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　白球があっという間に茂みへ消えた。宜野座に集まったファンが弾道を目で追うと、またすぐに新たな快音が響く。前日1日のキャンプ初日、68スイングで柵越えなしに終わっていた佐藤輝が一転、連発デー。表情も和らいだ。

　「積み重ねなので、今日よかったから悪かったからどう、とかはないですけど、昨日よりはよかったんじゃないですかね」

　岡田監督も真横からチェックする中、81スイングで14本の柵越えを披露。辛口コメントが多かった指揮官も思わず相好を崩した。「初めて見たな。やっとスイングできたんちゃう。ようやくなあ、姿らしきもんを見たな、今日は。ちょっとひと安心したわ」。

　前日は佐藤輝が合同自主トレを行ったソフトバンク柳田を引き合いに「柳田は引きつけて打つ方。俺らが言うてることと逆行する」と差し込まれがちなフォームの改善を指示。もっとポイントを前にして打球を捉えるように伝えており、佐藤輝が1発回答で応えた形だ。

　14本の柵越えのうち、8本を中堅から右方向に運んだ。水口1軍打撃コーチと相談し、置きティーの位置もより前でボールを捉えるよう修正。「岡田スタイル」を体に染みこませた。バックスクリーン上部直撃、右翼の看板付近への一撃、最後は右中間の丘へ推定130メートル弾を決めた。

　指揮官は「自分で感じが違うと分からなあかんよ。最終的には自分が得するか損するかだけ」とハッパをかけた。その上で「パワーとか、人の持ってないものがあるんやから生かさんと。一番の魅力やわ。他のもんにはできないものを持ってるわけやからな」とアドバイス。新人イヤーから2年連続20発の大器にさらなる覚醒を待ち望んだ。

　背番号8も充実の表情だ。「しっかり自分のポイントで捉えてというのはやっていきたい」。プロ3年目の春季キャンプ第1クール最終日を終え「まあ、ここからっすね」。休養日を挟み、4日からは第2クールに突入。ギアを上げ、新打法をモノにする。【中野椋】

　○…大山悠輔内野手が別格のフリー打撃で観衆を沸かせた。沖縄・宜野座の1軍キャンプ2日目。72スイングで20本の柵越えは、この日のチーム最多だった。秋季キャンプで岡田監督にポイントを前にして捉えることをアドバイスされ、今キャンプでも継続。左翼へ引っ張り続け、スタンドインを連発した。指揮官が今季4番の方針を示している背番号3が、充実の第1クールを送った。