あわせて読みたい
先が見えない韓国経済、ついにマイナス成長に転落 中国経済の減速受けた半導体輸出の低調、国内の大幅利上げが主原因
◇
マイナス成長の要因の一つが、輸出が5・8%減ったことだ。特に稼ぎ頭の半導体関連が低調だった。
元週刊東洋経済編集長の勝又壽良氏は「中国経済の減速や米国の対中半導体制裁の影響もあり、韓国の半導体輸出が低調だった。世界的な半導体市況の悪化も直撃している」と解説する。
韓国最大手のサムスン電子が発表した22年の連結決算(暫定集計)は、本業のもうけを示す営業利益が前年比16%減だった。22年10~12月期では前年同期比69%減に見舞われた。半導体大手のSKハイニックスも厳しい業績が続くと市場で予想されている。
マイナス成長のもう一つの要因が、民間消費の低迷だ。22年10~12月期は0・4%減と、7~9月期の1・7%増からマイナスに転じた。物価高の影響で家電製品や衣類などの消費が振るわなかったほか、宿泊や娯楽文化などサービス業も打撃を受けた。
韓国は今月13日、政策金利を3・5%に引き上げた。利上げは昨年4月以降、7会合連続となった。物価上昇を抑える目的の利上げだが、大きな副作用が出ている。
「金利上昇で住宅バブルが崩壊した。低金利時代にマンションを購入した人が金利負担でローンが支払えなくなり、二束三文で手放すケースも増えている、家計の負債比率も一段と大きくなっており、消費は伸びない。住宅バブルを招いた文在寅(ムン・ジェイン)前政権の負の遺産といえる」と勝又氏。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は今年に入って中東や欧州を歴訪し、兵器や原発のトップセールスを行った。
秋慶鎬(チュ・ギョンホ)経済副首相は「今年上半期は韓国経済の厳しい時期になるが、下半期は世界経済や半導体業況の改善などで次第に回復の流れを見せるだろう」と楽観的だ。
前出の勝又氏は「カギを握るのは中国経済だ。ゼロコロナ政策を放棄したことで上向きになるとの見方もあるが、不動産不況が続いており、春節(旧正月)連休後も消費が伸びるか不透明だ。中国経済が回復しなければ、依存度の高い韓国経済の回復も厳しい」と指摘した。
夕刊フジ
https://www.zakzak.co.jp/article/20230130-C3QYONCGHRJQ7DXQRO2W2LEK3M/