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想定外の「宿争奪戦」 WBC日本代表壮行試合と重なり受験生ピンチ!?
https://www3.nhk.or.jp/lnews/miyazaki/20230123/5060014606.html
23日から国公立大学の2次試験の出願が始まりましたが、思わぬ“難問”に直面しているのが宮崎大学です。
同じ宮崎市で行われるWBC=ワールド・ベースボール・クラシック日本代表の壮行試合と前期試験の日程が重なったことから宿の争奪戦が激化。
中には100キロ以上離れた場所にしかホテルを確保できなかった受験生も出ているということです。
国公立大学の2次試験の前期日程が行われるのは来月25日と26日。
宮崎大学のキャンパスから目と鼻の先のスタジアムではまったく同じ日程でWBC日本代表の壮行試合が行われます。
二刀流の大谷翔平選手らが選出され、大きな注目を集めるWBC。
大谷選手が宮崎に来るかはまだ決まっていませんが、宮崎市内のホテルや旅館では早い段階から熱心なファンが宿の確保に動き、宮崎県ホテル旅館生活衛生同業組合によりますと、合宿の期間中はすでにほとんどが満室になっています。
宮崎大学の前期日程では例年、受験生全体の6割を超えるおよそ1000人が県外から試験を受けることから、こうした生徒の宿泊場所をどう確保するか、対応に迫られたのです。
「宿泊先が確保できない受験生および保護者の方に限り、宿泊提供施設をご案内いたします」。
宮崎大学は去年のうちから県やホテル・旅館組合と対策を協議。
協力してくれた宿に受験生のための「特別枠」を設けてもらい、「大学のホームページを見た」と伝えるなどすれば、予約サイト上は満室でも部屋を確保できる仕組みを構築しました。
宮崎大学で入試担当を務める中林健一副学長は「今回のWBCの注目度は桁違い。危機感を持って早めに動きできる限りのことはした」と話します。
しかし、ホームページに掲載されているホテルに取材すると、その「特別枠」も満室となるケースが相次いでいることが分かりました。
宮崎市の「ホテルメリージュ」は受験生のために2日間で8部屋分を用意していましたが23日までにすべて予約で埋まりました。
瀬崎忠雄副総支配人は「その後も受験生や保護者から問い合わせが相次いでいるが、申し訳ないがこれ以上の枠は用意できない」と話しています。
取り組みに協力した37のホテルや旅館のうち、用意した枠がすでに埋まったのは宮崎市を中心に23日時点で少なくとも25に上っています。
受験生たちはどう対応しているのか。
福岡県の大手学習塾「英進館」によりますと、宮崎大学を第1志望とする受験生の中には宮崎市内では宿が確保できず、100キロほど離れた延岡市で何とか予約が取れた生徒もいるということです。
英進館で大学入試部門の責任者を務める西谷博史さんは「3か月前からキャンセル待ちをして最近やっと予約がとれたという生徒もいる。国公立大学の場合、共通テストの自己採点結果を受けて最終的に志望大学を決めるので、まだ宿が確保できていない受験生もいるとみられ、頭の痛い問題だ」と話しています。
あまりに離れた場所や県外にしか宿を取れないケースが出てくると受験生の負担が増して本番でふだん通りの力を発揮できない事態も考えられます。
中林副学長は「宿を取れなかった人が出た場合にどうするか検討したい。できるだけ安心して受験してもらえるよう県などと連携して対策を取っていきたい」と話しています。