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【阪神】藤浪晋太郎、江越大賀ら浪漫を手放した球団の覚悟「うちよりもチャンスがあるのなら…」
藤浪晋太郎があらためて驚きと感謝を強調したのは1月21日のことだ。青々とした冬空に包まれた甲子園。アスレチックスへの移籍会見はさながら「壮行会」の装いだった。ここまで祝福してもらえると想像していたか? 率直な質問をぶつけると、本人は「全然、全然」と飾らない本音を明かしてくれた。
「もっといろいろ言われてもおかしくなかったというか…。すごい送り出し方をしてもらった。頑張らないといけないなと今日、より感じました」
選手の権利といえる海外FA権を使ったわけではない。近年は納得のいく結果を残せない中、ポスティング制度を認めてもらった形だ。移籍会見では仲間17人から動画メッセージが届き、阪神園芸から花束まで贈られた。「タイガースで良い成績を残して、優勝させて行くのが一番だった」と身の丈を理解していた右腕にとって、メジャー挑戦までの流れはいい意味で想定外だったのではないだろうか。
大器の大リーグ移籍交渉が初めて耳に入った時、心底驚いた。太平洋を渡りたいという藤浪の意思に、ではない。快く送り出そうと動いている球団に、だ。不振期間が長かったとはいえ、日本球界屈指の潜在能力は誰もが認めるところ。自チームのことだけを考えれば「放出して他球団で活躍されたら困る」と考えるのが自然だと、高をくくっていたからだ。結論から言えば、阪神には記者の勝手な想像をはるかに上回る覚悟があった。
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