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【対中国】「クイーン・エリザベス」派遣で英米蘭連合艦隊が実現へ、自衛隊が共同軍事訓練で“台湾有事”に備え
「日英関係が新たな段階に入ったことを示す象徴だ」。クイーン・エリザベス派遣の英政府発表を受け、岸信夫防衛相は歓迎する意向を明らかにした。英国はこれまでも瀬取り対応などでフリゲートを派遣することはあったが、空母の派遣は趣が異なる。日米が掲げる“自由で開かれたインド太平洋”の維持強化に向け、英国が安全保障面で積極的に関与していく意思の証となる。
クイーン・エリザベスは満載排水量が6万トンを超える、英海軍の最新鋭艦だ。日本に寄港する空母打撃群はこれに駆逐艦2隻、対潜フリゲート2隻、補給艦2隻、原子力潜水艦が加わる。米海軍の駆逐艦やオランダ海軍のフリゲートも同行し、内容は英米蘭連合艦隊。クイーン・エリザベスには自衛隊も導入予定の垂直離着陸ステルス機「F35B」が搭載されており、自衛隊や米軍と共同訓練を行う見通しだ。
仏陸軍や米海兵隊と行う実動訓練の想定はずばり、空中機動と陸上作戦の水陸両用作戦における戦術技量向上だ。尖閣諸島や八重山列島、宮古列島などに敵が先制上陸した事態を想定し、奪還や市民の救出などを念頭に置いているとみられる。尖閣諸島の米軍の物資投下訓練とあわせ、見えてくるのは各国が中国の台湾や尖閣諸島侵攻を“現実の危機”としてとらえ、対応準備を進めている点だ。
フィリップ・デービッドソン米インド太平洋軍司令官は公聴会で「6年以内に中国が台湾に軍事侵攻する可能性が高い」と証言。中国の急激な軍事費膨張で同国と台湾の軍事力格差は開くばかり。台湾だけではない。日本、そして米国でさえも、ミリタリーバランスでは中国にかなわない状況が続いている。
自衛隊と比較すると潜水艦の数は中国が約2・5倍、近代的戦闘機の数は3倍以上。艦船数は米国防総省の報告書で米290隻に対し、中国は350隻あるとされる。台湾や尖閣諸島海域で考えると、距離の上でも中国と日米両国では大きなハンディがある。中国が直ちに大兵力を集結、運用できるのに対し、日本の佐世保や沖縄本島から到着するまでには時間がかかる。
台湾への25機の戦闘機による領空侵入、豪州に対する輸入制限の脅し、フィリピンへの偽装漁船団の大量侵入、新疆ウイグル自治区での人権侵害問題など、各国がどんなに中国を批判したり懸念を表明したりしても、同国が力を背景にした覇権行動を改めないことは多くの事実が証明している。力を信奉する相手に理が通じないとすれば、各国が結束して同盟力を高め、中国の力による野望を封じ込めるしかないといわれる。
(略)
Yahoo!Japanニュース/ニュースイッチ 5/4(火) 14:34配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/0b9dba551eca73dcb1883f49521dbe904f74fc7a