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ドーピング問題ワリエワは「過失なし」 ロシア側裁定に世界反ドーピング機関は懸念表明
世界反ドーピング機関(WADA)は日本時間14日未明、22年2月の北京冬季五輪中にドーピング問題が発覚した、フィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(ロシア)に関する声明を発表した。ワリエワの調査を行っていたロシア反ドーピング機関(RUSADA)はワリエワのドーピング違反は認めたものの「過失なし」と判断。検体が採取された21年12月のロシア選手権の結果=優勝のみを失格とする以外、制裁を科さないと決めた。
ワリエワは練習の送迎をする祖父が常用する薬が混入したと主張し、意図的な摂取を否定していた。ロシアがウクライナ侵攻を理由に国際大会から除外されているため、今季のグランプリシリーズなどには出場していない。22年12月のロシア選手権には出場し2位に入っていた。
RUSADAの決定を受け、WADAは声明の中で「無過失の認定に懸念を抱いている」と指摘。全ての関連文書を取り寄せ、裁定が本当に適切かどうか検討することを決めた。WADAは22年11月8日に、RUSADAの裁定決定が遅すぎることを理由に、スポーツ仲裁裁判所(CAS)にワリエワの4年間出場停止を求めて提訴した。さらに2か月経ってから出てきたロシア側の裁定が実質不問だったことに対し、「CASへの上訴もためらわない」と“実力行使”も辞さない姿勢を示している。
14年にロシア陸上界の組織的ドーピングが明るみに出たことを受け、15年にWADAはRUSADAの資格停止処分を科した。18年9月に処分は解除されたが、データねつ造が判明し再び資格停止の処分を受けて、22年12月に処分が明けたばかり。WADAのウィトルド・バンカ会長は処分解除前、RUSADAについて「信頼を回復するための仕事は山積している」と厳しい目を向けていることを明らかにしていた。
報知新聞社
https://news.yahoo.co.jp/articles/6fc85bbdb4c639223878552bce485cd2b97b6545