あわせて読みたい
将来に不安を感じた20~30代前半の会社員は約7割、5割以上がリスキリングの必要性を実感
👉リスキリング
近畿医療学は、20代~30代前半のサラリーマンを対象に、「リスキリング」に関する調査を実施した。
調査ではまず、「現在の職に対して、将来への不安を感じたことはあるか?」と質問したところ、「感じたことがある(今はさほど感じていない)(39.6%)」「今も感じている(31.1%)」「感じていない(29.3%)」という回答結果になった。「感じたことがある(今はさほど感じていない)」「今も感じている」と回答した人を合わせると、約7割の人が不安に感じたことがあるようだ。社会情勢も不安定なため、漠然とした不安を感じやすいのかもしれない。
感じている不安について具体的に聞いてみると、「営業職のため成績次第では年収が下がる年もあるので、生涯年収が不安」(20代/女性/愛知県)、「ボーナスが数%だがカットされて、このまま下がり続けたらどうしよう、と不安になった」(30代/女性/滋賀県)、「いつどんな会社でも倒産や統合があるかわからない」(30代/男性/埼玉県)、「子どもが産まれて、今の会社で仕事と子育てと家事をこなせるのか心配。何でもかんでも値上がりして、給料は変わらないと本当に困る」(30代/女性/新潟県)などの回答が寄せられた。物価が上昇する一方で、給料は上がらないことに不安を感じている人がいることがわかった。また、将来の子育てと仕事の両立に不安を感じている人もいるようだ。
「将来に対しての不安要素をなくすために取り組んでいることはあるか?」と質問したところ、「ある(44.4%)」「ない(55.6%)」という回答結果になった。5割以上の人が「ない」と回答したことから、具体的にどう取り組んだらいいかわからない人もいるのかもしれない。
では、「ある」と回答した人はどのようなことに取り組んでいるのか。「資格取得のための準備、他会社と接点を作る」(20代/女性/北海道)、「人生を楽しむために趣味や生きがいを見つけようといろいろなことに興味をもっている」(20代/女性/京都府)、「転職に役立つように資格の勉強。自分の市場価値を高めるための教養を勉強する。通信制大学に通っている」(20代/女性/神奈川県)、「教員として働いてはいないけれど、教員免許は保持し続けるように昨年更新をした」(30代/男性/三重県)などの回答が寄せられた。今は使っていない資格を更新したり、新しい資格取得をしたりと、今の仕事を離れても選択肢を広げられるように取り組んでいる人がいることがわかった。
一方で、「ない」と回答した人にその理由を聞いてみると、「何をしたらいいのかわからないから(56.9%)」と回答した人が最も多く、次いで「時間がないから(13.7%)」「仕事に精一杯でキャパシティに余裕がないから(10.7%)」「業務時間外の時間を仕事のために使いたくないから(9.6%)」「行動に移せていないから(8.1%)」と続いた。半数以上の人が「何をしたらいいのかわからないから」と回答したことから、漠然と不安を感じているものの、具体的な手段がわからず行動できていない人も多いことがわかった。
「将来について現時点で考えていること」について聞いたところ、「転職を視野に入れている(40.8%)」と回答した人が最も多く、次いで「現在の会社で働き続ける(現在の会社で安定を目指す)(29.3%)」「現在の会社で働き続ける(現在の会社で出世、昇格を目指す)(17.4%)」「脱サラして起業する(6.2%)」「フリーランスになる(5.1%)」と続いた。約4割の人が「転職を視野に入れている」と回答しており、今働いている会社に不安を抱えている人が多いのかもしれない。
「仕事をしている中で、リスキリングの必要性を感じたことはあるか?」と質問したところ、半数以上の人が「かなりある(14.8%)」「少しある(40.4%)」と回答した。
続いて、「かなりある」「少しある」と回答した人に、具体的にどのような時に必要と感じるかを聞くと、「ITに関して詳しい人が会社に少ないとき」(20代/女性/東京都)、「人事考課にフィードバックがない」(20代/女性/京都府)、「紙を使用した報告書や社内回覧をしている際に、ペーパーレスの必要性を実感したとき(IT技術の必要性)」(20代/男性/千葉県)、「外部出向の際、同年代の他社社員と比較して発表能力に欠けていると感じた」(30代/男性/東京都)などの回答が寄せられた。他社の人と比較したり、ITに詳しい人がいなかったりという時に、リスキリングの必要性を感じていることがわかった。
「将来を考え、スキルや資格を取得しておくことは必要であると思うか?」と質問したところ、8割近くの人が「かなりそう思う(33.9%)」「少しそう思う(45.0%)」と回答した。
「実際にリスキリングに取り組んでいるか?」と質問してみると、「現在取り組んでいる(15.8%)」「取り組んでいないが過去に取り組んだことがある(19.9%)」「取り組んでいないが取り組もうと思っている(37.3%)」「取り組んでいないし取り組む予定もない(27.0%)」という回答結果になった。3割以上の人が、現在取り組んでいたり、過去に取り組んだ経験があるようだ。
今回の調査では、約7割の人が現在の職に対し将来への不安を感じた経験があることが判明した。また、半数以上の人が、リスキリングを必要と感じていることがわかった。なかには、他社の同年代の人と比べて劣っていると感じたり、ITに関して詳しい人がいなかったりすることでリスキリングの必要性を感じる人もいた。