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「苦」から「楽」へ 阪神・中野拓夢が誓う2023年の野望
【球界ここだけの話】
苦しみを味わったからこそ、2023年こそは笑顔で楽しかったといえるシーズンにする。年の瀬を迎え、阪神・中野拓夢内野手(26)が昨季を振り返った。
「昨(年は)『苦』という字ですかね。開幕からなかなか勝てなくて、(自分も)コロナになって、体の状態も悪くないなかで、ずっと試合をみるしかないという状況もあって、苦しい時期が、けっこう長かった」
ゼロからのスタートだった。下半身のコンディション不良で2軍高知安芸キャンプからスタート。活気あふれるメイングラウンドから離れ、サブグラウンドで壁当てをする中野がいた。動きたくても動けない。もどかしい日々に「開幕に間に合うんですかね…」と本音が漏れたこともあった。
それでも3月のオープン戦から1軍に昇格し、遊撃手で自身初の開幕スタメンをつかみ取る。「開幕戦の雰囲気は全然違いましたし、その気持ちを味わうことができたことは今後に生きる」。自信を深めた一方で、チームは開幕9連敗とどん底。そこから、持ち直し、追い上げムードが漂う中、8月には新型コロナ陽性判定で戦線離脱を余儀なくされた。
135試合の出場で打率・276、チームトップの157安打を放ち、ベストナインにも選出されながら、開幕直前の出遅れ、そして出場できなかった8試合の〝苦しさ〟が色濃く残る。
「このオフは体をもう一度鍛え直して、体の芯から強い部分を作り直して、1年間、フルで戦えるように体作りをしていきたい」
岡田新体制で迎える今季は「2番」で起用されることが濃厚だ。昨季は18四球、出塁率は・301。「出塁率は課題でもあるし、チーム打撃もやっていかないといけない。四球ももっと増やさないといけない」とつなぎ役としての役割を明確に理解している。プロ2年目の昨年もシーズン途中に「打席で余裕が出てきた。去年よりいろいろ考えながらできている」と成長を語ってくれた。苦境の1年でまた経験値を培った中野なら、岡田監督が求める理想の2番像に駆け足で近づいてくれるはずだ。
「(今季は)『楽』というか、そういった漢字になれるように、楽しみながらやっていきたいと思います」
18年ぶりの〝アレ〟を果たす-。年末に「楽しかった」と振り返る中野を楽しみにしている。(原田遼太郎)
https://news.yahoo.co.jp/articles/209c381c6b3ec447b6264b1c09ad423cf1d5c6fe
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