阪神　ドラフト３位・井坪陽生は新庄剛志監督のスター街道目指す「楽しそうにプレーする選手に」

　新庄ロードを駆け上がる！　阪神ドラフト3位の関東第一・井坪陽生（ひなせ）外野手（17）が、東京都八王子市内で自主トレを公開した。日本ハム新庄剛志監督（50）の阪神での現役時代の動画を見て、意外性や野球を楽しむ姿に感銘。同じ高卒ルーキーとして1日でも早く追いつき追い越すことを誓った。

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　井坪は「あり得ない」と伝説のシーンに目を奪われた。生まれる6年も前の話だ。99年6月12日の甲子園での巨人戦の動画だった。同点の延長12回1死一、三塁。打者新庄は巨人槙原が敬遠しようと外角へ大きく外した棒球を踏み込んで打ち、三遊間を破るサヨナラ安打にした。「敬遠されながら打ったのは印象に残っています。すごい」。笑顔で歓喜の輪の中心にいる新庄の姿は、心から野球を楽しんでいるように映った。

　「意外なプレーをする印象。人がやらないようなプレーが多いので、見ていて面白いですし、存在感がある」と選手新庄の魅力を熱く語る。それは自身が目指すスタイルでもあるからだ。「（自分も）一番は、楽しくやっていたい。枠にははまりたくないので、周りから見て楽しそうにプレーする選手になりたい」と力を込める。

　高卒ルーキーにも、チャンスはいきなりやってくる。来春キャンプの2月11、12日には、2日間かけて1、2軍合同、全選手参加の紅白戦が宜野座で予定。4チームに分かれるため、出番もありそうだ。「チャンスの時は緊張しないタイプなんで、楽しめるというか、そこは大丈夫」と、持ち前の強心臓で、高校通算32本塁打の打撃力をアピールするつもりだ。

　この日は中学時代に在籍した八王子リトルシニアの鑓水（やりみず）球場での自主トレを公開した。球場近くの鑓水公園にある124段の階段をダッシュを含んだランメニュー。当時はこのメニューを毎日10周して、いじめ抜いてきた。「ずっとやっていたので思い出です。中学のこのメニューで下半身がだいぶ鍛えられた」と原点に戻り、下半身をいじめている。新庄のようにプレーを楽しむ井坪が、岡田監督も待望する高卒レギュラーに名乗りを上げる。【三宅ひとみ】