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紅白歌合戦から「演歌歌手」が消えていく?大御所たちが出場しない「切実な理由」
紅白歌合戦から「演歌歌手」が消えていく…大御所たちが出場しない「切実な理由」 NHKや芸能事務所、レコード会社の思惑が交差する国民的お化け番組。テレビで映っているような「きれいごと」だけでは決して成り立たない。華やかな舞台に… (出典:現代ビジネス) |
いよいよ年末の風物詩であるNHKの『紅白歌合戦』が近づいてきた。
制作陣にとっては本番当日まで気が休まらないことだろう。
11月16日に出場歌手が発表されたが、「目玉がない」と巷で話題になっているからだ。
それは、出演が取り沙汰されていた中森明菜の名前が出場者リストになかったことが大きい。
NHKサイドは、春から特別オファーチームを編成して極秘裏に動いていました。
4月にBSプレミアムで『中森明菜 スペシャル・ライブ1989 リマスター版』を放送したのも、紅白を盛り上げるための布石だったのです。
9月頃までは中森サイドも乗り気だったのですが、10月に入ってから交渉が頓挫してしまったそうなのです。
持病の帯状疱疹が再発したという説やメンタルを崩してしまったという説が流れています。制作陣としては、どんな形を取ってでも、放送直前まで出演交渉を続けているはずです」
(大手スポーツ紙デスク)
紅白の主な視聴者層は60代以上だ。
貴重な固定客を逃さないために石川さゆりや天童よしみ、坂本冬美といった演歌歌手も起用する。
とはいえ、紅白の常連組だった五木ひろしなどの大御所が出なくなってしまったのはなぜか。
「NHKが若者にターゲットを絞って『演歌枠』が少なくなったことに加えて、演歌歌手にとって出場するメリットがなくなっているんです。
4時間以上も拘束される生放送に出るより、裏番組で事前収録のある『年忘れにっぽんの歌』(テレ東系)に出たほうがファンも喜びます。
大御所クラスは曲順も気にします。
NHKサイドは気を遣ってトリのほうに回すのですが、ファン層が年々高齢になり、歌う時間帯には寝てしまっていたりする。
需要と供給が一致しないことから、常連組は出場歌手が発表される前に『紅白には出ません』と宣言することで自ら身を引く形を選ぶようになりました」
(レコード会社関係者)
6月頃から着手していた出場候補のリサーチを終えたプロデューサー陣は、9月頃になってオファーをかけるという。
「ただ、松任谷由実や加山雄三といった、出演するだけで話題になりそうな大物アーティストには、もっと早い段階で打診をしているはず。
出場歌手には入っていませんが、松田聖子にもオファーをかけているそうです」
(大手芸能事務所幹部)
NHKから直接オファーがかからないような歌手にも「営業」をする機会はある。
9月上旬、各レコード会社のNHK担当に一通のメールが届くのだ。
中堅レコード会社の幹部は、こう語る。
「『今年の紅白プロモーション期間は〇日から×日です』という連絡がNHKからあるんです。例年、期間は2週間くらい。その間に、出演させたい歌手の資料や音源をNHKに送るのです。 コロナが流行る前は、プロデューサーにアポを取って『接待合戦』が繰り広げられた時期もありました。高級なお酒や料理を御馳走するのは当たり前。初出場する新人女性演歌歌手の中には、プロデューサーとの関係を噂された子もいた。ただ、今はメールしか営業の手段がありません」 引き続き、後編「司会・大泉洋のギャラはいくら? 知られざる「紅白歌合戦」のウラ側を明かそう」では、出演者のギャラや入念なリハーサルの実態について明かしていこう。
「週刊現代」2022年12月24日号より