「なんだこれ」福岡空港で大行列 担当者は「対応に苦慮」
福岡空港の混雑が激化している。保安検査場の待ち時間が長く、利用客から「乗り遅れそうになった」との声が「あなたの特命取材班」に寄せられた。交流サイト(SNS)には行列の写真が並ぶ。背景にあるのは、新型コロナウイルスの規制緩和などで急増した旅行客と、コロナの影響で減ったままの検査場スタッフ。混雑は常態化しており、冬休みシーズンは特に注意が必要だ。
【写真7枚】なんでこげん長~いと?福岡空港の大行列
23日午後、国際線ターミナルには長蛇の列ができていた。家族3人で韓国・ソウルに向かう福岡市の会社員田中肇さん(39)は「SNSで待ち時間が長いと知り、急いで来た」と慌てた様子。保安検査までに1時間近く待ったといい「間に合ってよかった。いい年越しにしたい」と旅立った。
国内線でも混雑は顕著だ。福岡市の会社員大野高志さん(47)は11月、サッカー観戦のため午前8時半の羽田行きに搭乗しようと空港を訪れ、息をのんだ。
ターミナルの北端と南端にある保安検査場から伸びた行列は、中間にある土産店で重なり、さらに続いた。「なんだこれ」。1時間半並んだところで航空会社スタッフに優先案内されて検査を通過。他の利用客も同様で、出発は定刻から約20分遅れた。大野さんは「何度も利用しているが初めての経験だった」と話す。
空港を運営する「福岡国際空港(FIAC)」によると、混雑は政府の「全国旅行支援」が始まった10月中旬以降に目立ち始めた。年末年始や大型連休のような混み具合で、担当者は「対応に苦慮している」。
航空業界は新型コロナの往来制限などで大打撃を受けたが、福岡空港国内線の9月の月間旅客数は、コロナ禍前(2018年)の同月の約8割まで回復。10月以降は9割を超えるペースだという。国際線も水際対策の緩和で路線が再開し、12月は約1200便と8月の5倍に。旅客数も戻りつつある。
一方、検査場のスタッフは、コロナ禍で旅客数が激減したことで離職が相次ぎ、現在も人員が不足したまま。旅客数に応じて検査レーンを増やすことは難しいという。スタッフの採用活動を強化しているものの、研修期間や、国家資格者の配置基準もあり、人員不足解消のめどは立たない。
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