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【ロシア紙】中国が覇権を求めないのは「望んでいない」からではなく「不可能」だから
ブズグリャートの記事はまず、「中国は将来的に世界の覇者になるのか。中国は米国と同じようにその価値観を他民族に押し付け、空母を派遣して相手を爆撃するのか」と疑問を提起した。
その上で、「西側メディアは長年、中国に対して大規模な悪魔化を行っており、『中国人は侵略的で、世界を占領し、自分たちの秩序をすべての人に押し付けようとする』と報じてきたが、中国人がこれらを望んでいないのは明らかであり、習近平(シー・ジンピン)国家主席も、中国はどこまで発展しても永遠に覇権を唱えず、軍拡競争はしないと述べている」とした。
一方で、記事はこれは「事実の半分でしかない」とも指摘。中国が覇権を求めないのは「望んでいないからではなく、不可能だからだ」とし、その理由について「中国には経済的資源、軍事政治的資源がなく、覇権を唱えるイデオロギー的な資源もない」と主張した。
そして、「中国には空母艦隊もなければ、巨大な軍事基地ネットワークもない。軍事的な手段を通じて自らの利益を守る政治的な意志さえなく、アフリカや南米では米国の軍事政治的な圧力を受けてしばしば後退している」と指摘した。
さらに、「中国には覇権を争うようなグローバルイデオロギー、つまり、グローバル化の中で他国の民衆が受け入れ、広めるような国家的価値観(例えば、英語、自由民主、マクドナルドなど)がない」とした。
記事は、「中国の食や文化は大勢の人々に受け入れられるものではなく、この面で日本人はすしやアニメで中国人をしのいでいるほど」とし、中国語についても「(他国人が)学ぶのは非常に難しい」と評した。
また、「中国は中央アジアだけでなく、東アジアでも人気がないため『東アジア版NATO』は構築できない」としたほか、「多くの隣国と領土紛争を抱えているが、中国当局は譲歩せず、相手に条件を受け入れさせようとしている。こうした敵対的な環境は中国の成長を制限しているほか、中国が世界の他の地域に注ぐ力も制限している」と論じた。
記事は台湾問題についても、「中国は台湾が受け入れ可能な統一モデルを提示することができていない」とした上で、「こうした状況下では世界の覇者になることを公言することはできず、中国には多極的な世界を構築して世界問題を共同で解決していく道しかないのだ」と主張した。(翻訳・編集/北田)
Record China
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