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【東亜日報】「専守防衛」破棄の日本と北朝鮮の核を頭上に、軍事大国に囲まれる韓国
北朝鮮の核・ミサイルや中国の台湾に対する脅威など周辺の安全保障環境の悪化を受け、攻勢的な安全保障戦略を採択したのだ。これにより、攻撃を排除して守備だけに専念するという戦後77年間の「専守防衛」原則は大転換を迎えることになった。
今回閣議決定された安全保障戦略は、「戦争と武力行使の永久放棄、陸海空戦力の不保持、交戦権否認」を明示した憲法第9条を完全に無力化する内容と言わざるを得ない。敵の基地を攻撃できる長距離攻撃能力を保有し、防衛費は現在の国内総生産(GDP)の1%水準から5年以内に2%に増額する。さらに、陸海空3自衛隊の部隊運用を一元的に担う「統合司令部」を新設し、司令官は米軍と戦力運用を調整する。
日本は、北朝鮮のミサイルが列島上空を横切り、中国のミサイルが排他的経済水域(EEZ)に落ちる状況で「必要最小限の自衛の措置」と主張するが、国内的反発が大きい平和憲法の改正を避けつつ戦争可能な国家になろうという考えだ。特に、反撃能力の発動は、日本が直接攻撃された場合だけでなく、米国が攻撃されても適用することになる。事実上、先制攻撃の可能性まで開いたのだ。韓半島の有事に自衛隊が介入する可能性もある。
さらに5年以内に防衛費を2倍に増やすと、現在世界9位の日本の軍事費支出は米国、中国に続き世界3位になる。安倍晋三元首相に象徴される右派勢力の夢、世界3位の経済大国にふさわしい軍事大国になるということだ。新たな安保文書は、中国を「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と位置づけ、米国の安全保障戦略に歩調を合わせた。新冷戦の対決気流の中、中国牽制を主導する地域強国の役割も厭わないということだ。
このような日本の軍事跳躍がもたらす北東アジアの安保環境の変化に、韓国は警戒しなければならない。北朝鮮の核・ミサイル脅威がますます大きくなるうえ、左右を世界2、3位の軍備増強国家に包囲されているためだ。だが、北朝鮮の核に対抗して韓米日3ヵ国の安全保障協力が避けられない韓国としては、ただ懸念していることはできない。米国に代わって日本が主導する地域同盟の下位パートナーに満足しないのであれば、いつにも増して自強の努力が切実だ。
東亜日報 Updated December. 17, 2022 09:20
https://www.donga.com/jp/List/article/all/20221217/3831787/1