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注目の美少女『當真あみ』想像もしてなかった初めて尽くしの1年 地元の友達との電話が癒やし
》》當真 あみ》》沖縄県出身の女優。
ドラマやCMでフレッシュな輝きを放ち、今注目度急上昇中の女優・當真あみ。2023年さらなる飛躍が期待される彼女が、映画『かがみの孤城』で“声優”という新たなジャンルに挑んだ。初めて尽くしで目まぐるしい1年だったと今年を振り返る彼女にインタビューすると、16歳の等身大の素顔が見えてきた。
大好きな作品で声優初挑戦 完成作は「普段の声と違って不思議な気分」
當真は、2006年沖縄県出身。2020年に地元でスカウトされ、翌年リクルートのCMでデビュー。今年1月にはドラマ初出演作『妻、小学生になる。』で、男性がひょう依している中学生という難役を演じ話題を呼んだ。さらには、「カルピスウォーター」の14代目イメージキャラクターに抜てきされるなど、いま最もブレイクが期待される若手女優の1人に駆け上がった。
今回當真がヒロイン・こころの声を務めた『かがみの孤城』は、本屋大賞をはじめ、数多くの賞に輝いた辻村深月の同名小説が原作。家に閉じこもっていた中学生のこころが部屋の鏡に吸い込まれると、そこにはおとぎ話のようなお城と、見知らぬ中学生6人が。そこで狼のお面を被った少女が、こころたちにあることを告げることから始まるファンタジーミステリーだ。中高生から圧倒的支持を受ける作品を原恵一監督がアニメ化し、声優には北村匠海、高山みなみ、梶裕貴、芦田愛菜、宮崎あおいら豪華キャストが顔をそろえた。
當真は、本作の出演をオーディションで勝ち取った。挑戦にあたり、「もともと原作が好きでしたし、アニメも好きなので、頑張ろうという気持ちでした」と振り返る。「原作はファンタジー要素が入りつつも、それぞれが悩みを抱えているところが考えさせられる」といい、「いろんなところに伏線があって、後になってそれがつながっていくところに、謎解きをしているみたいなワクワク感があって面白い」と魅力を語る。
初挑戦の声優オーディションには「何をどうやったらいいかまったく分からなかったので、とにかく台本を読んで、あとはアニメを見てセリフの早さや息遣いを研究して、練習して」臨んだ。当日は「録音ブースがすごく静かで、その静けさや自分の声が響いてよく聞こえてくることに、ものすごく緊張しました」というが、原監督は「こころを見つけました」と絶賛。1000人以上の中から選ばれた合格の知らせに「この作品のアニメーションに自分が関われるっていうことが本当にうれしかったです。うれしくてすぐお母さんに連絡しました」と16歳らしい笑顔を見せる。
実際にアフレコに入ると改めて、声の仕事の難しさにぶつかった。「実写の作品と違い、アニメーションは声だけで演じるというのがすごく難しくて…。実写の作品だと自分の顔や声、体の動きですべて表現できるのが、声だけに絞られてしまう」と戸惑いも感じたそう。「私のアフレコの時は何人かのほかのキャストさんの声は入っていたんですけど、入っていないセリフは目で追いながらセリフを言うのが結構難しくて、タイミングが合わなかったりしました」と苦戦。
アニメ好きだという當真だが、今回の挑戦を通して「本当に声優さんってプロのお仕事だな」と実感したそう。「声ってもともと自分の持っているものだから、たぶん性格とかも出てきちゃうと思うし、自分がやると違う作品でも同じような感じになっちゃいそう」だといい、「今活躍されている声優さんはいろいろな作品に出ているのに、全部キャラも違って、すごく面白かったりする」と改めてプロのすごさを知った。声の仕事にまた挑戦したいかという質問には「実写の作品で演技の経験をもっともっと積んで頑張って、またいつか挑戦できたらなと思います」と意欲を見せた。
取材のタイミングでは、完成された作品を見たばかり。「普段自分がしゃべって聞いている声と、録っている声って違うから、ちょっと不思議な気分になりました」というが、「作品全体を見て、やっぱり素敵な作品だなって思ったし、それを皆さんに届けられることが楽しみです」と語る。
憧れの存在は長澤まさみ 「いろいろな役を演じられるようになりたい」
演じるこころは、学校での居場所をなくし、部屋に閉じこもっている中学生。引っ込み思案でおとなしい性格の女の子だが、當真とは共通点はあるのだろうか?「こころちゃんは、思っていることをパッと口に出せないというか。ちょっとしたことでも口に出すことが苦手な女の子かなと思いました。そうしたところは本当に自分と重なっています。私自身もちょっとしたこと、例えば部活の話し合いで意見を聞かれたときも、周りに合わせてしまうようなところがあるのでよく似ているなと思います」と明かす。役作りは「自分が学校の友達ともめちゃったり、喧嘩しちゃったりして学校に行けなくなったら、特に仲のいい友達とだったらすごく学校に行きづらくなっちゃうよなって考えて、こころちゃんの気持ちに寄せて行ってました」。
地元沖縄では、「海へ行ったり公園へ行ったり」外で遊ぶことも好きだったという當真。「沖縄だったんですごく日焼けして真っ黒でした」と笑う。東京で一番驚いたのは「人が多いことと電車移動」と即答。「1回降りたい駅で降りられずに、1駅乗り越して引き返した」こともあるそうだが、「でもそれが逆に珍しいことに思えるというか、沖縄ではなかったことなので面白いなって」と前向きに楽しんでいるようだ。
雑誌「POPEYE」の表紙に掲載され、「あのかわいい子は誰だ?」と話題を集めたのがちょうど1年前の今頃。それから『妻、小学生になる。』『オールドルーキー』『霊媒探偵・城塚翡翠』とドラマに出演するたびに、どんどん注目を集めてきた。1年前に今の状況を想像できたか尋ねると「まったく想像できてませんでした。こんなにドラマもいくつか出させていただいて、声優さんもやってるなんて1年前の自分は全然思ってもいなかっただろうなって…」としみじみ。一番印象に残っていることを聞くと「本当に初めてのことが多すぎて、一番と言われると難しいです」との答えが。
初めて尽くしの毎日の中で、楽しみにしているのは地元の友達との電話だという。「何やってた?とか、学校で会えない分、近況報告じゃないですけど、最近こういうことがあったんだっていうお話をしています」と笑顔。「もともと中学のころから、学校に行って友達に会うことが好きでした。幼いころから一緒にいた子が多いので、しゃべっていると、やっぱり気分も明るくなるし楽しくなります」。
作中でこころは、城で出会う6人の中学生と交流を深めていく。當真が今地元の友達とやりたいことを聞くと「(コロナ禍で)中学の修学旅行が県外に行く予定だったのがなくなり、県内になってしまったんです。その再挑戦というか、みんなでどこかに行ってみたいですね」と教えてくれた。
2023年も日曜劇場『Get Ready!』(TBS系)への出演が発表されるなど、ますます活躍の幅を広げそうな當真。今後どんな女優になりたいかという問いには「目標の方は長澤まさみさん。長澤さんはどの作品でもいろいろな役をやられていて役の幅が広くて憧れます。私も、ミステリアスだったりすごく明るかったり、自分にはない要素を持ったいろいろな役を演じられるようになりたいと思います」と目を輝かせる。
「そのためには、いろいろな作品を見て、こんな演じ方があるなと勉強していきたいなって思います。出てみたい作品は、学園ものです。活躍されている俳優さんが出られた過去の作品を見ると、学園ものなどで同世代の方と演技をされているので、私も同世代の方の演技を間近で見ながら、お芝居をしてみたいなと思います」。(取材・文:編集部 写真:高野広美)
※宮崎あおいの「崎」はたつさきが正式表記