阪神　新助っ人ノイジーを駐米スカウト就任のサンズ氏が全面サポート　すでに日本の野球をレク

　新助っ人に強力助っ人あり！　阪神は16日、シェルドン・ノイジー外野手（28＝前アスレチックス3A）と来季の契約を結んだと発表した。

　推定年俸は130万ドル（約1億8200万円）。背番号は今季限りで現役を引退した糸井嘉男氏（41）がつけていた「7」となった。また、来季から球団の駐米スカウトに就任するジェリー・サンズ氏（35）が、ノイジーを全面サポートしていくことも明らかとなった。

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　岡田新体制を支える来季のクリーンアップ候補、ノイジーの入団が正式に発表された。背番号は球団の外国人では初で、今季現役を引退した超人糸井が背負っていた「7」に決定。新助っ人は球団を通じ「歴史と伝統のあるタイガースの一員になれることに非常に興奮していますし、勝利に貢献できるように頑張ります」と力強い言葉を届けた。

　広角に打ち分けられ、確実性の高い打撃が武器の中距離砲。メジャーで結果を残せていないが、マイナーでは今季25試合で打率3割9分8厘と高打率を残し、同通算でも517試合で打率2割9分9厘と安定感は抜群だ。岡田監督は「つなぎというか、そういう役割をしてくれたら俺は一番助かるよな。打順を組んだときにな」と話し、理想の打順は「3番」と期待。強肩に守備力も兼ね備え、現時点で開幕左翼が有力だ。

　そんな新助っ人に、強力な助っ人がサポートに付く。20年から阪神で2年間プレーし、39本塁打を放つなど活躍したサンズ氏だ。今年6月に現役を引退し、来季からは阪神の駐米スカウトに就任する。このほど、米国のテキサスで契約担当者に同行してノイジーと夕食をともにしたといい、嶌村聡球団本部長（55）は「映像を見ながら、いろんな日本の野球の話をサンズの方からレクチャーしております」と説明。すでにスカウトの“初仕事”を終えていた。

　また、サンズ氏が来年2月の春季キャンプ（沖縄・宜野座）に訪問する可能性も出てきた。20年にはジェフ・ウィリアムス、アンディー・シーツ両駐米スカウトが沖縄に訪れていたが、21年からはコロナ禍の水際対策で来日が見送られていた。嶌村球団本部長は「（訪問は）検討次第やね」と前向き。実現となれば、ノイジーら助っ人勢にとってはハッピーでしかない。日本野球を知る先輩助っ人の力も借りながら、異国の地で暴れ回る。【古財稜明】

　◆シェルドン・ノイジー　1994年12月10日生まれ、米テキサス州出身。オクラホマ大から16年メジャードラフト2巡目でナショナルズから指名され契約。マイナーを経て17年にアスレチックスに移籍し、19年にメジャー初出場。21年はドジャースでプレーし、22年は再びアスレチックスに移籍。今季は内野の全ポジションを守ったほか、投手としても3試合に登板した。身長183センチ、体重105キロ。右投げ右打ち。

　◆阪神の駐米スカウト　球団OBを中心に米国に常駐して優良助っ人の獲得に動くスカウト。阪神は09年から本格的に補強ルートの見直しに取りかかり、同年に05年に3番打者としてリーグ優勝に貢献したアンディー・シーツ氏（51）と契約。11年には現役時代に勝利の方程式「JFK」で一世を風靡（ふうび）した助っ人左腕のジェフ・ウィリアムス氏（50）と契約した。シーツ氏は今季限りで退任し、サンズ氏が来季から就任することとなった。

　〇…嶌村球団本部長は「すべての編成についてはこれをもって一段落」と、この日のノイジー獲得で今オフの補強は完成と話した。外国人は今季の8人から5人へ。「日本人の中核選手がある程度出たところで外国人は減らそうと」と、チームは順調に育ってきていると説明した。右の強打者、左の先発の補強ポイントも補充し、西勇、岩崎、岩貞とFA権を持つ3投手の残留にも成功。ポスティングでメジャー挑戦する藤浪を除くと、来季は投手32人、野手35人の支配下67人に育成5人でスタートする。