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メジャーリーガー大谷もサッカーW杯熱狂 “らしい”感想「PK戦は急に別競技だよね。HR競争で決着みたいな感じ」
ご無沙汰しています。翔平はメジャー5年目のシーズンを終え、帰国してから2カ月近くがたちました。例年と変わらず、あまりトレーニング以外で外出することはなく、ウエートと技術練習を中心に行っています。キャッチボールも始めていますし、打つ方もティー打撃だったり、マシンを打ったりという感じですね。来年3月にWBCが開催されますが、通常であればオープン戦の時期なので現時点でそこまで調整を早めてはいないと思います。
世界中でサッカーW杯が盛り上がっていますが、翔平もコスタリカ戦など、見られる時間帯の日本代表の試合は見ていました。僕は子供の頃にサッカーをやっていたこともあり、日本戦以外の試合もほぼ見ていて、毎日、けっこううるさく言っていたので、その影響もあったのかもしれません。一緒にではないですが、決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦も次の日がオフだったので試合終了まで見ていたようです。日本はPK戦の末に惜しくも敗れましたが、試合後の午前2時40分過ぎに「PK戦になったら急に別競技だよね。野球でいったら急に本塁打競争で決着がつくみたいな感じだね」というLINEが届きました。翔平らしい感想ですよね。本人も言っていますが、翔平はサッカーの戦術、ルール、選手についてそこまで詳しくありません。ただ、リフティングはうまいですよ。
競技は違いますが日本代表として戦うWBCへの出場意思を表明したのは11月17日でした。事前に相談して、インスタグラムで日本語と英語でメッセージを発信。翔平が考えた日本語の文章を、僕が英訳し、翔平に最終的にチェックしてもらってという形をとりました。「11・17」は翔平の歴代背番号と同じ数字だと一部で話題になったとお聞きしましたが、そこまで狙っているかどうかは分かりません。もしかしたらそういう意味はあるかもしれないですね。本人に聞いてみてください(笑い)。僕も代表チームに参加すると報じられていますが、正式発表されているわけではないので、また発表後に当欄でお伝えできればと思います。
翌18日はMVPの発表日。昨年同様に午前8時ぐらいからスタンバイし、中継に出演した後は着替えて、すぐに技術練習をしていました。結果は事前に知らされていませんが、ある程度、本人も分かっていたと思うので、悔しがることもなく、すぐに切り替えていました。ただ、僕個人としては今季の二刀流での活躍はMVPだったと思っています。後々、50年後くらいに評価されるシーズンだったのではないでしょうか。
その後、エドガー・マルティネス賞(最優秀DH)に輝き、無冠で終わらなかったので良かったです。翔平本人も予想外だったみたいで、報道で知って「え?そうなんだ」という感じでした。「オールMLB」も先発投手でファーストチーム、DHでセカンドチームに選ばれ、昨年とは逆ですが、2部門で選ばれて良かったです。
最後に。2022年も応援、ありがとうございました。皆さまの声援が力になりました。来年も変わらず、翔平を全力でサポートします。(エンゼルス通訳)
◇水原 一平(みずはら・いっぺい)1984年(昭59)12月31日生まれ、北海道苫小牧市出身の37歳。91年から米ロサンゼルスに移住。大学卒業後、岡島秀樹(レッドソックスなど)の通訳を経て、13~17年まで日本ハムの通訳。18年から大谷の通訳としてエンゼルスに所属。
≪サッカー経験なしも華麗なリフティング≫大谷の父・徹さんは社会人野球の三菱重工横浜でプレーし、母・加代子さんは元実業団のバドミントン選手で国体決勝でバルセロナ五輪日本代表の陣内貴美子と対戦経験もある。そんなスポーツ一家で育ち、幼少期はスイミングスクールに通っていたため水泳が得意。サッカーの経験はないが、練習前のアップで華麗なリフティングを披露することもある。その他、バスケットボールも得意だ。
https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2022/12/09/kiji/20221209s00001007074000c.html