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「彼には大きな欠陥が3つある」メジャー移籍を目指す吉田正尚、スカウトが指摘する不安
現在の推定年俸は4億円だが… ©時事通信社
「高いレベルで野球をやりたい」
こう語ったのは、オリックスからポスティングシステムを利用しての米大リーグ挑戦を容認された吉田正尚(まさたか)外野手(29)だ。
「青学大から2016年に入団し、背番号をブライス・ハーパーにちなんで34にするなど、最初からメジャー志向は強かった。17年、学生時代に知り合ったモデルのゆり香と結婚。姉さん女房で、彼女は管理栄養士の資格も持っており、子どもは女の子が2人います」(スポーツ紙記者)
7年間で首位打者を2回獲得。打率が3割を切ったのは、2割9分だったルーキーイヤーの16年のみ。
「18年以降、5年連続で規定打席をクリアし、出塁率4割超をマークした。5年連続はこれまで王貞治、落合博満、イチロー、松井秀喜ら7人だけです」(同前)
吉田には、メジャー球団も注目してきた。
「マリナーズ、ヤンキース、レッドソックス、ブルージェイズなど複数球団がスカウトを送り込んで視察してきました」(同前)
米移籍情報サイト「MLBトレードルーマーズ」では鈴木誠也がカブスと結んだ5年総額8500万ドル(現在のレートで約119億円)の契約金を上回る可能性もあると報じた。大リーグ球団スカウトが語る。
「今オフは移籍市場に出る外野手が少なく、超一流はヤンキースのアーロン・ジャッジとメッツのブランドン・ニモくらいです。吉田はその次のランクに位置付けられている。代理人に辣腕のスコット・ボラス氏を付けており、契約金は相当高くなりそう」
吉田にある「3つの大きな欠陥」
だが別の大リーグ球団スカウトは「彼には大きな欠陥が3つある」と問題点を挙げる。1つ目は守備面だ。
「打球のチェイスも正確ではなく、何より肩が弱い。強肩が求められる右翼はもちろん、中堅も厳しい。今年の日本シリーズで左前打を本塁送球する際、カットマンまでワンバウンドで投げた。ヤクルトは3塁コーチが当然のように本塁突入の姿勢で腕を回していました。完全に舐められていたのだろう」
2つ目は、出塁率は高いがそれを生かすための走塁技術があまり高くないこと。
「今季は一塁からワンヒットで三塁に進むことや、二塁からの生還も少なかった。昔から痛めていた腰の怪我も影響しているのかもしれない」(同前)
3つ目はその故障の多さ。16年1月に左ふくらはぎの筋膜炎となり、復帰直後に左脇腹の違和感で離脱。翌年は春に急性筋性腰痛に。昨年12月に両足関節鏡視下三角骨摘出手術を受け、今年も5月に左大腿部裏の筋損傷をしている。
“高いレベル”は甘くない。
「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年12月1日号