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2022年、数々の偉業を成し遂げた村上に、また新たな〝勲章〟が加わる。球団が来季で高卒6年目を迎える若き主砲に対し、近日中に行われる契約更改交渉で、チーム最高年俸を提示する可能性が高まった。
これまでの球団最高額は、21年シーズンから7年契約を結んでいる山田の5億円だった。村上は今季年俸2億2000万円から倍増以上で〝山田超え〟を果たす見込み。巨人・菅野が6年目に手にした、4億5000万円も上回り、球界史上最速の5億円超えとなる見通しだ。
今季は日本選手最多のシーズン56本塁打、令和初で史上最年少の三冠王達成など歴史に名を刻んだ一年だった。2日に行われた「2022ユーキャン新語・流行語大賞」の表彰式では、「連覇はできたけど、最後日本一になれなかったので最終的にすごく悔しい思いで終わりました」と振り返りつつ「自分の目標が達成できたすごくいい一年だった」と充実した表情を見せた。
交渉で、もうひとつの注目点は複数年契約となる。村上はシーズン終了後に日本記者クラブで行われた記者会見で「アメリカでプレーする権利を得る選手は数少ない限られた選手なので、もちろん挑戦したいという思いはあります。そこは球団との話になりますけど、行けるのであれば早く行きたい」と将来的な米大リーグ挑戦の意向を示していた。早期の〝流失阻止〟へ、複数年契約が提示される可能性もある。
村上はプロ2年目からレギュラーに定着し、順調にいけば5年後の27年中に海外フリーエージェント(FA)権を取得。それ以前のメジャー挑戦となれば、ポスティングシステムを利用することになるが、夢の実現には壁もある。
MLB球団が日本、韓国、メキシコなどのプロリーグから25歳未満(6シーズン未満)の外国人選手を獲得する際は契約金、年俸などを含め最低460万ドル(約6億3000万円)程度と低く設定された通称〝25歳ルール〟が存在する。
この制度は村上の市場価値に見合わないうえに球団側への譲渡金も低い。早くても4年後の26歳シーズンからのメジャー挑戦が現実的な目安で、球団側は来季から25年までの3年契約を軸に交渉を進める可能性がある。
リーグ3連覇と日本一奪還へ-。燕の主砲に最大限の評価と将来のメジャー挑戦も見据えた契約内容が伝えられる。
★村上の2021年契約更改VTR
12月20日に契約更改交渉に臨み、1億2000万円増の2億2000万円プラス出来高払いでサイン。高卒5年目を迎える野手では、オリックス・イチロー、巨人・松井秀喜の1億6000万円を超える史上最高年俸となった。「最大限の評価をしていただいた」と喜び、打率3割、40本塁打、100打点を新たな目標に設定。「そのくらい、たたき出せれば満足のいくシーズンになるかな」と語っていたが、今季は全て上回った。
■データBOX
❶入団6年目での最高年俸は2018年の巨人・菅野智之の4億5000万円で、野手では21年のオリックス・吉田正尚の2億8000万円。高卒入団選手の最高は22年のオリックス・山本由伸の3億7000万円で、野手では1997年のオリックス・イチローの2億6000万円。
❷ヤクルト選手の最高年俸は20-22年の山田哲人の5億円。今季の球界最高年俸は楽天・田中将大の9億円、野手ではソフトバンク・柳田悠岐の6億2000万円だった(いずれも年俸は推定)。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5d10e8bfb07bb5a394ff42054546d0d9299b68c5