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「GT-R」ではない「史上最強のスカイライン」と呼ばれた「鉄仮面」とは? スーパーシルエット仕様になった「R30」は別格です!
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「史上最強のスカイライン」と呼ばれた「鉄仮面」とは?
スーパーシルエット仕様になった「R30」は別格です!
かつてプリンス自動車工業を代表するスポーツカーであり、そして1966年にプリンスが日産自動車に吸収合併されて以降は日産を、いや日本を代表するスポーツカー・ブランドに成長した「スカイライン」。
プリンス時代は4気筒用のノーズをストレッチして6気筒エンジンを搭載したスカイラインGT、通称「スカG」が、そして日産の傘下に入ってからは直6ツインカムを搭載した「GT-R」が、シリーズのトップモデルに位置づけられてきました。
GT-Rとしての初代モデルとなったPGC10系「ハコスカGT-R」は、純レーシングカーのR380に搭載されていたレーシング・エンジン、GR8型と基本設計を同じくする高性能エンジンで、直6ツインカム24バルブヘッドが組み込まれた「S20型」を搭載していました。
S20型のスペックを確認しておくと、排気量は1989cc(φ82.0mm×62.8mm)で、ミクニ・ソレックスのツインチョーク・キャブを3連装し、最高出力は160ps(レギュラーガソリン仕様は155ps)を捻り出していました。
このS20型が搭載されたスカイラインGT-Rは、1968年8月に登場した、スカイライン・シリーズとしては3代目となるC10型系がベース。
1969年2月に登場した4ドア版がPGC10、1970年10月のマイナーチェンジ後には4ドア版が廃止され、新たに登場したハードトップをベースにしたスカイライン・ハードトップGT-Rに移行し、2ドアクーペを示すKPGC10の型式名が与えられていました。
スカイライン・シリーズは1972年9月に3度目のフルモデルチェンジを受けて4代目のC110型、通称「ケンメリ」に移行しています。
このモデルでもS20型を搭載したGT-Rがラインアップされていますが、その登場はベースモデルの登場から4カ月後の1973年1月でした。
もっとも、ベースモデルが登場した翌月、1972年10月に開催された第19回東京モーターショーにレーシング仕様が参考出品され、C110型系にもGT-Rが追加設定されるであろうことは「公然の事実」となっていました。
はたして、年明けには発売に漕ぎ着けていましたが、ケンメリGT-Rは、わずか197台が生産されたに過ぎず、今もプレミアがつく人気モデルとなってしまいました。
生産台数が限られてしまったのはS20型エンジンの数が、それだけしか残っていなかった、などいろいろな説が伝えられています。
いずれにしてもS20型エンジンは、1973年の排出ガス規制に適合させることが叶わず、それ以上増産されることはありませんでした。
そしてS20型エンジンが底をついたタイミングでスカイラインGT-Rの歴史にも一度休止符が打たれることに。
そしてGT-Rの名は、R32 GT-Rが登場する1989年の8月まで、16年以上もの間途切れることになってしまいました。
もちろん、その間にホットモデルも登場してきましたが、6気筒の特別なエンジンを搭載していないことでGT-Rを名乗れなかったのです。
歴代スカイラインの中で、高いパフォーマンスを有するホットモデルでありながら、6気筒の特別なエンジンを搭載していないことを理由にGT-Rを名乗れなかったモデルとしては、1981年8月に5回目のフルモデルチェンジで登場した6代目スカイライン(R30型)に、同年10月に追加設定された「RS」があります。
ちなみに、RSとはRacing Sport(レーシングスポーツ)の略。
車両型式がDR30型となっていますが、こちらに搭載されていたエンジンはFJ20E型。
S20型と同様に、ツインカムで気筒あたり4バルブと高度なメカニズムが採用され、1990cc(φ89.0mm×80.0mm)の排気量から150psの最高出力を絞り出していました。
ただし6気筒ではなく4気筒だったがために、スカイラインRSはGT-Rを名乗ることができなかった、と伝えられています。
GT-Rを名乗ることはできませんでしたが、FJ20Eにターボを装着したFJ20ET(最高出力は190ps)や、さらにインタークーラー付きのFJ20ET(最高出力は205ps)と、マイナーチェンジのたびにエンジンが強力になり、誰言うともなく「史上最強のスカイライン」と讃えられるようになりました。
そう、205psの最高出力は、S20型に対して3割近くもハイパワーになっているのですから、単なる社交辞令ではなく、ファンの心からの誉め言葉でした。