ロシアでは野良犬が多くて問題になっているが、モスクワの南南西にあるオリョール市の共産党議員ビクトル・マカロフは格好の解決策を考え付いた。彼は、ウクライナで「戦車を爆破する」ために、野良犬に自爆攻撃を仕掛けさせることを提案した。地方紙オレル・タイムズは12月2日に報じた。
ロシアの独立系ニュースメディア「メデューサ」の編集長ケビン・ロスロックは、最近の立法議会でマカロフが提案したこのアイデアに注意を引かれ、翌日にツイッターに投稿した。
「ロシアのオリョール州の共産党議員は、野犬を訓練してウクライナの戦車に突っ込ませ、自爆攻撃をさせようとしている」とロスロックは書いた。「マカロフは以前、野犬を中国に送る案を同議会で提案したこともある」
だがマカロフの提案には兵站上の問題が多かったため、どちらも同僚議員たちの支持を得られなかった、と新聞は報じた。市議会のオレグ・コシェレフ副議長は、犬が人を噛む心配はないのかと質問した。アンドレイ・フロロフ議員は、飼い主のいない動物1頭を1日飼育する経済的コストについて質問した。議論の末、回答が得られなかったため、この法案は採択されなかった。
ロシアの必死さを示す証拠
米欧州陸軍の元司令官であるマーク・ハートリング退役中将も3日、ツイッターでロシアの地方議員による提案に疑問を呈した。
「なぜ犬を訓練する必要があるのかわからない。彼らは現在、そのためにロシア兵を訓練しているのではないか」と、ハートリングはつぶやいた。
ワシントンのシンクタンク、ディフェンス・プライオリティーズの大戦略プログラムのディレクターを務める政治学者ラジャン・メノンは3日、この話は、現在進行中のウクライナとの戦争において「ロシアが勝つためにいかに必死になっているかを示すさらなる証拠かもしれない」と本誌に語った。
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