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自ら仕掛け、ボールを奪える冨安健洋は“日本史上最高のDF”? 森保ジャパンの頼みの綱だ
SOCCER DIGEST Web
「間合い」 を完全に自分のものにしている
ドイツ戦で途中出場した冨安(16番)は、コスタリカ戦はコンディション不良で欠場した。(C)Getty Images
アーセナルのディフェンダーである冨安健洋は、今や日本サッカー史上最高のディフェンダーと言えるかもしれない。
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「間合い」
それを完全に自分のものにしている。
相手のミスをしっかり待って挑むディフェンダーはごまんといる。否定しているのではない。それは一つの基本と言える。
しかし冨安の場合、自ら仕掛け、ボールを奪い取れる。たとえ逆を取られたとしても、即座に対応できる。守備者でありながら、相手にイニシアチブを与えない。
主導権を取れるディフェンスの土台になっているのは、たぐいまれな身体能力だろう。パワー、スピードの爆発力は、本人も持て余すところがあるほどではないか。必然として、守備エリアが広く、濃密になる。
そしてもう一つ、十代にしてJリーグの舞台を踏み、すぐに海外に出て、歴戦の猛者と対峙してきた点が大きい。ディフェンダーが成長するための最短距離は、想像を超える様々なタイプのアタッカーと対決を繰り返すことにある。真剣勝負でしか得られない邂逅というのか。そこでの失敗を糧とすることができたら、戦いを重ねるたび成長できる。
冨安は修練の中で独自の間合いを手に入れたことによって、バックラインではセンターバックだけでなく、右サイドバックでも、左サイドバックでも、持ち場を任せられるほどになった。相手と対峙した時、単純に負けない。それがディフェンダーとして強力な武器になっている。
「剣術の道理をはっきりと見分ければ、一人の敵に自由に勝つときは、世の人すべてに勝つことができる。人に勝つということでは、一人の敵であろうと千万人の敵であろうと同じことである」
これは宮本武蔵の「五輪の書」の一節だが、まさに冨安の極意につながるだろう。
冨安はボールホルダーの隙を見逃さない。また、圧力をかけることによって、隙を作る。そうして自分の間合いで”斬りかかる”のだ。
「敵と撃ち合う時、”どたどた”と拍子がかみ合わなくなった状態になったならば、敵が打ってくるのを我が太刀で叩いておいて打つことである。叩くということは、さして強く叩くのでもなく、また受けるのでもない。敵が打ってくる太刀に応じ、太刀を叩き、叩くよりも早く敵を打つことである。叩くことによって先手を取り、先手を取って打つことが肝心である。叩く拍子が上手になると、敵がどんなに強く打っても、少しでも叩く気持ちさえあれば、こちらの太刀先は落ちない」
その存在は日本代表でも頼みの綱だ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c9f98848715fae9c7daced01a2c2c286d0fe06b1