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「ネイマールの負傷」を喜んでいるブラジル国民が実は多い理由 “サッカーの国”を分断させる「南米のトランプ」の正体
4年に一回開催されるワールドカップと同じ日程でブラジルでは大統領選挙が行われるのが通例だ。10月30日に行われた決選投票で左派のルーラ元大統領が右派の現職、ボウソナロ大統領に勝利。来年1月、13年ぶりに大統領に返り咲く。
ルーラ氏の得票率が50.1%だったのに対してボウソナロ大統領は49.9%。激戦を制したルーラ氏は「二つのブラジルは存在しない。我々は一つの国、一つの国民、偉大な国家だ」と国民に呼びかけた。1985年の民政移管後、最も僅差で再選を目指した現職大統領が初の落選。元職が返り咲いて3期目を務めるのも初めてとなるが、異例づくしだった大統領選の結果は、ワールドカップで盛り上がるはずのブラジルにも影を落としている。
20年ぶりの世界一を目指すブラジル代表は、カタール大会の初戦でセルビアに2対0で勝利した。ブラジルと並び優勝候補であるアルゼンチンやドイツがまさかの黒星発進を強いられたのとは対照的にブラジルは、順調なスタートを切ったが、唯一の誤算はエースのネイマールが後半、試合中に痛めた右足首の影響で負傷交代を強いられたことだった。
セルビア選手のタックルで右足首が腫れ上がった様子や、ベンチで涙に暮れるネイマールの姿がブラジルのテレビでは報道。本来ならばエースの負傷交代はブラジル国民にとって悲報のはずなのだが、ツイッター上ではネイマールを揶揄する投稿が相次いだ。
理由はシンプル。ブラジルの背番号10が、国民の分断を招いた「南米のトランプ」こと極右のボウソナロ大統領を支持しているからである。
「応援しづらい」
ブラジルの大統領選挙はそれぞれの候補者が掲げる数字を有権者が入力することで投票されるがボウソナロ大統領の数字は「22」。ネイマールはワールドカップで得点すれば、両手で「22」を示すジェスチャーを行うと宣言したり、大会初ゴールをボウソナロ大統領に捧げたいと公言していたのだ。
超辛口で知られる元ブラジル代表の人気コメンテーター、ネット氏はネイマールの負傷について自身の番組で「我々はネイマールなしにワールドカップ制覇は出来ない」とコメント。ネイマールの容体を心配する声が相次いでいる一方で、ツイッター上では喜ぶブラジル人がいるのも事実である。
ブラジルの高級紙「フォーリャ・デ・サンパウロ」はネット上の記事で「インターネットはボウソナロ支持のネイマールを許さず」との見出しをつけた記事を配信。ブラジルのスタンダップコメディアンでもあるブルーノ・モッタは24万人のフォロワーを持つが、「ネイマールはボウソナロに敬意を示していたよね。(ピッチで)何もせずに、泣いてしまった」と投稿したが27000回のリツイートと15万の「いいね」がついていた。
日系3世のブラジル人であるマルセロ・ハヤシダさん(45歳)はパルメイラスサポーターであるが、南米屈指の難関大学、サンパウロ大学を卒業したインテリである。ネイマールの負傷についてハヤシダさんに聞いてみるとこんな答えが返ってきた。
「僕もネイマールのいるチームを応援しづらい気持ちはあります。普通のことではないけど、ブラジルにはネイマールの負傷を喜んでいる人も多いですよ。すごく複雑な気持ちですけど、彼を応援しない人の気持ちは分かります」
続きはソースで
https://news.yahoo.co.jp/articles/66bf81c83963e4947b830070f1c03969e7e2d01f