11歳だった娘に覚醒剤を飲ませて交際相手の男にわいせつな行為をさせたなどとして、監護者わいせつや児童ポルノ禁止法違反などの罪に問われた母親の判決公判が22日、大津地裁であり、大嶋真理子裁判官は懲役3年6月(求刑同4年6月)を言い渡した。地裁は被害者のプライバシー保護のため、母親の名前などを伏せて審理した。
判決によると、母親はマッチングアプリで知り合った工員の男の被告(49)=大阪市平野区=と共謀して、2020年6月26日、当時11歳だった娘に対し被告の男がわいせつな行為をし、その様子を携帯電話で動画撮影した。さらに今年3月4~5日にも当時13歳だった娘に同様の行為をした。
母親は被告の男の求めに応じて、覚醒剤を混入したコーヒー牛乳を娘に飲ませた上でわいせつ行為に及んでいたという。
判決理由で大嶋裁判官は「母親として監護、養育する立場でありながら、被害者が嫌がる様子を示してもやめず、腕をつかんで被告の男にわいせつ行為をさせるなど積極的に関与した」と指摘。娘の心情について「信頼を寄せていたであろう母親から被害を受けた精神的、肉体的苦痛が甚大であることは想像に難くない」とおもんぱかった。
被告の男に脅されたとする弁護側主張については「被告の男との関係を継続したいがために指示や要求に従っていた」と判断した。
被告の男も監護者わいせつや児童ポルノ禁止法違反などの罪で起訴されている。起訴内容の一部を否認しており、大津地裁で公判中。