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すでに負けている:習近平を前に焦る岸田首相 韓国に比べて日本など「どうせ放っておいても尻尾を振って近づいてくる」と認識
(前略)
◆後回しにされた日中首脳会談
(中略)
図表:習近平が会談した各国首脳名と時期
岸田首相が習近平と会談できたのはG20が終わった翌日11月17日にタイに移動してからだった。単純に国の順番から言うと、国連のグテーレス事務総長を含めて15番目となる。
(中略)
中国は、こういう順番を非常に重視するという伝統があるので、その視点から見ても、韓国に比べて日本など、「どうせ放っておいても尻尾を振って近づいてくる」と高を括っている何よりの証拠だとしか見えないのである。
◆習近平の前でオドオドと焦る岸田首相
そのイヤな予感は、初対面の場面で早速、現実のものとなった。
11月17日午後8時46分、習近平が宿泊するホテルに岸田首相が表れた。バイデンのときと同じように習近平が対面舞台の真ん中にいて岸田首相が速足で歩いて近づいていく設定だ。最初に会った時の会話と動作が滑稽過ぎて、実際の対談がどうであったかはほぼ関係ないほどだ。
以下、日中両国のネットに現れている数多くの動画に基づいて、「習近平&岸田」の対話や動作を記したい。( )内は中国語の和訳や筆者の説明で、会話の文字起こしに関しては筆者自身が聞き取れたものを記録した。
習近平:到了(あ、来た)。
岸田:・・・(走り寄っている最中)
習近平:你好啊(やあ、こんにちは)。(非常に軽いトーン)握手。
岸田:(ペコペコしながら)ええ、習主席と直接対話できましたことを大変うれしく思います。
習近平:那我们今天呢,坐下来谈一谈(じゃあ、今日はですね、座って話しますかね)。
岸田:・・・(大急ぎで日本語通訳の方を見るが、通訳が間に合わない。)
(習近平、握手の手を離す。)
習近平:今天过来的还是昨天过来的?(今日いらしたんですか?それとも昨日いらしたんですか?)
岸田:・・・(通訳の方を振り向いている)
習近平:从巴厘岛(バリ島からさ)(回答が遅れてるので付け足す)
岸田:(しばらく沈黙。通訳の方を振り向く岸田首相に日本語通訳の声が届くと、ようやく)そうですね・・・、あのう・・・、え――っと、そのう・・・、本日、こちらに移動してきました。
(「今日です」という一声が出なく、「あのう・・・、そのう・・・、えーーとぉ」を続けた後に、ようやく「本日」という言葉が出た。)
習近平:今天刚刚到的、我也是(ああ、今日、着いたばかりなんですね。私もです)。
(ここで対面場面は終わることになっていたらしく、二人は対面舞台から去ろうとするのだが、岸田首相は間違えて習近平のあとに付いていき、習近平ら中国側の方向に向かおうとしたので、習近平がそれを遮り)
習近平:你们这边(あなたたちは、こっちですよ)
(岸田首相ら日本側が向かうべき反対側の方向を、習近平が掌を上に向ける形で指す。「あ、どうも」と言ったのか否か、声は拾えてないが、頭を軽く下げながら習近平の後ろをアタフタと「日本側」の方向に戻る岸田首相の姿が映し出されたところで、画面は切れた。)
バイデンとの出会いの場面も見ものだったが、岸田首相との対面場面は、それに輪をかけて「抱腹絶倒」と言っても過言ではなく、中文メディアは大喜びだ。
日本人としては愕然とする。会談で何を話そうと、あとは推して知るべし。
平然とゆったり構える習近平の前に、おどおどと緊張し、日本語も普通には出てこない岸田首相の小物ぶりが際立った。
習近平はそんなに「偉い」のか?
なぜ、ここまでビクつかなければならないのか?
何を恐れているのか?
だらしない!
みっともない!
せっかく国際社会的には有利な立ち位置にありながら、結局は「ご機嫌伺い外交」しかできない国のツケが露わになったのを見る思いだ。「言うだけ外交」、「戦略なき日本」の姿は、こういうところで顕著になる。今後、岸田首相が中国に関して、どのような勇ましいことを「言葉だけで」言っても、何も信用できない。
日本はなぜこんな国になってしまったのか、暗然たる思いだ。
遠藤誉中国問題グローバル研究所所長、筑波大学名誉教授、理学博士
11/20(日) 11:04
出典:新華社/アフロ
https://news.yahoo.co.jp/byline/endohomare/20221120-00324730