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“世界同時不況”の足音!? 中国では金が人気に、韓国では住宅ローン上がり悲鳴 韓国では住宅ローンに悲鳴「9%」も
中国の人気となっている「金の豆」
ウクライナ侵攻の影響で、エネルギーをはじめとした物価の高騰、そして、アメリカやヨーロッパの金融引き締めなどで、いま懸念されているのが「世界同時不況」です。テレビ東京の海外支局が総力取材で、その「足音」に迫ります。世界経済が転換点を迎えるこの瞬間、ニッポンは、どう向き合えばいいのでしょうか。
◆中国「資産防衛」で人気の“金の豆”
中国・上海にある高級腕時計の専門店。
(中略)
「今年は新型コロナからの回復が予想に届かず、多くの客が資金繰りやビジネスに影響を受けている」(陳宇栄社長)
今年9月までのGDP成長率が3.0%(前年比)と低迷する中国。春の上海ロックダウン以降、足元の景況感は急低下する一方で、生活防衛のため預金残高は増えています。
一方で追い風が吹いているのが金の販売です。
貴金属店には伝統的なデザインの商品が並ぶ中、1グラム単位から気軽に買える「金の豆」が人気です。
「こちらの『金の豆』はとても可愛く贈り物やコレクションとして使える。一粒の価格も高くない。500元(約1万円)くらいだ」(周大福ジュエリーグループの陳世昌社長)
さらに若者をターゲットにしたハローキティの金のネックレスも。景気の先行きが不透明な中、資産防衛のため金の人気が今後さらに高まっていくと見ています。
「現金で持っていても価値は下がるし、インフレには勝てない。これからも人々は大量に金を買うことになると思う」(陳世昌社長)
◆韓国では住宅ローンに悲鳴「9%」も
政策金利は10年ぶりに3%となり、マンション購入者からは悲鳴が上がる
韓国・ソウル。ここにも同時不況への足音が…。
「ソウル中心部に今年完成したマンションですが、不動産会社によるとまだ3割ほどしか購入者がいないということです」(ソウル支局の武部慎一記者)
入口付近にはいまも物件の案内が設置されたまま。低金利を背景とした投資ブームもあり、ソウルのマンション価格は2017年からの5年間で2倍に高騰。しかし、今年に入り取引件数は去年の半分以下に落ち込み、価格も下落傾向です。
「金利のせいで不動産への心理が萎縮したことは事実だ。売りかも買いもまったくできていない状態だ」(ソウルの不動産業者)
中央銀行の韓国銀行は物価高を背景に利上げペースを早めていて、政策金利は10年ぶりに3%に。マンションの購入者からは悲鳴が上がっています。
ソウル近郊に住むパク・ヨンミさん(仮名)は母と子どもと3人暮らし。去年11月、3000万円ほどのローンを組んでマンションを購入しました。
しかし「金利は5.74%。3ヵ月で1%以上も上がった」(パク・ヨンミさん)と、この3ヵ月でローンの金利が1%以上上昇。月の支払額は2万円以上増えたといいます。
現在、韓国の大手銀行の住宅ローン金利は5~7%台ですが、来年には9%近くになるという見方も出ています。
不動産価格が急騰していた韓国、給与水準に合わない借り入れをした人も多く、家計の債務比率は世界トップクラス。さらに約8割が変動金利を選んでいて、利払いの増加は直接消費に影響します。
「本当に家計への打撃となっている。全てを減らすしかない。食べ物、必需品、光熱費、全て節約するしかない」(パク・ヨンミさん)
(以下略)
11/20(日) 12:10配信
テレ東BIZ
https://news.yahoo.co.jp/articles/da9c0ca50d841698bfdae45c724e6810167c98e3?page=2