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西前頭12枚目・千代大龍が引退
今場所は7日目を終えて2勝5敗。十両への陥落が決まったわけでもなく、力士としてまだ戦う力は残されていた。34歳の誕生日だった2日目に初白星をつかむと「けがしないでやっていくことだけ。全6場所、休場せずにやっていくことだけ」と語り、6日目に20歳の熱海富士を破った際は「今じゃおっさんですけど、まだまだ心折れてない。頑張っていきます」と前向きに話していた。
入門当時から破天荒な言動で周囲をにぎわせる人気力士だった。入門予定だった2011年春場所が八百長問題で中止になると、一転して「教師になる」と入門断念を示唆。入門後は新弟子が通う相撲教習所で落第した。規定の49日間のうち17日間も欠席したことがその理由。「休み過ぎました。(これからは)1日も休まず行きます」と補習に臨んだ。
ネット掲示板ではマニアックな人気を誇ったこともある。正攻法のかち上げを「奇襲」とやゆされ、反対に引き技を本名から「MSP(明月院スペシャル)」と書き込まれたりもした。支度部屋では「今日勝ったから、あと全部負けても幕内残留」など本音トークでも人気を博していた。
都立足立新田高の相撲部時代は、本人いわく「タオル持ちレベルだった」と。だが日体大相撲部では学生横綱、国体優勝など輝かしいタイトルを獲得。11年5月の技量審査場所で幕下15枚目格付け出しデビューした。立ち合いで左からかち上げ、豪快に前に出る取り口を持ち味とし、一方で天性の引き技がさえた。
最高位は小結で、58場所在位した幕内では通算384勝を挙げ、日馬富士、稀勢の里から計3つの金星を奪っている。
中日スポーツ
https://news.yahoo.co.jp/articles/6bbab0cc2a9ccd99a27428f56de0a41fdfce43d5