ハルキウ州に置き去りにされた破壊されたロシア軍の戦車(2022年9月) Gleb Garanich-Reuters
<ウクライナ国防省がインターネット上に投稿した撮影時期不明の動画には、川岸に残された数十人分のヘルメットや弾薬が>
ロシア軍の兵士たちが、ウクライナ軍から逃げるために軍服を脱ぎ捨て、「裸で」ドニプロ川を泳いで渡ったことを示す動画が注目を集めている。ウクライナ国防省がインターネット上に投稿した動画によれば、ウクライナ軍の兵士たちがドニプロ川のほとりで、ロシア軍の兵士たちが脱ぎ捨てていった数十のヘルメットやミリタリーベストを見つけたという。
逃げ出したロシア兵たちは、弾薬や手榴弾も置き去りにして、泳いで川を渡ったようだ。動画の中であるウクライナ兵は、「ロシア人はこうやって逃げ出した訳だ。見てみろよ、奴らは裸で逃げていった。この川を渡ったんだ。弾薬も何もかも、置き去りにしていった」と述べ、さらにこう続けた。「ロシアの熊たちは、裸で逃げていった」
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この動画がいつ撮影されたものかは分かっておらず、ウクライナ国防省は、撮影された場所も明らかにしていない。
CNNの報道によればロシア国防省は11月11日に、ウクライナ南部ヘルソン州の州都ヘルソンからの撤退を完了したと発表。全てのロシア部隊が、ドニプロ川の東岸地域に移動したと明らかにしていた。
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ウクライナ軍は現在、ロシア軍が撤退したヘルソン市とその周辺地域の奪還を進めており、当局者たちは電力や通信、インターネットやテレビをはじめとする各種サービスの復旧作業にも取り組んでいる。
要衝ヘルソンからの撤退は大きな屈辱
ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は14日夜の定例会見で、「(ヘルソンでは)電気も通信も、インターネットもテレビも利用できない。占領軍が、意図的にすべてを破壊した」と述べ、「これが、ロシア国旗が意味するものだ。完全な荒廃だ」と非難した。
ヘルソンは、ロシア軍が軍事侵攻開始後の早い段階で掌握した最初の主要都市であり、彼らが制圧した唯一の州都でもあった。黒海に近い重要な港湾都市であり、ロシア軍が占領を続けるクリミア半島への玄関口でもある。
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は9月末に、ヘルソン州を含むウクライナの4州について(これらの地域を完全に掌握していた訳ではなかったが)ロシアに併合すると一方的に宣言した。
しかしウクライナは夏の終わりにかけて、西側諸国から供与された長距離砲を使って、ロシア軍がヘルソンへの補給路として使用していた複数の橋を爆破。ヘルソンで戦うロシア兵たちを孤立させる作戦を進めた。
今回のヘルソン市からの撤退はロシア軍にとって、ウクライナ軍の反転攻勢により北東部ハルキウ州のほぼ全域を失ったことに次ぐ、屈辱の敗北となる。
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