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【韓国】半導体、「台湾の存在が無視できないほど巨大に」と韓国紙、自国超えに危機感も
世界的に不足する半導体について、韓国紙は「台湾の存在が突然、無視できないほど巨大になった」と報道。「韓国を超える半導体大国になろうという声が高まっている」と危機感を募らせた。
世界的に半導体不足が深刻化する中、韓国紙は海外メディアの記事を引用し、「台湾の存在が突然、無視できないほど巨大になった」と評した。台湾には「韓国より多彩な半導体産業が共存」と指摘。現地では「韓国を超える半導体大国になろうという声が高まっている」と危機感を募らせた。
朝鮮日報によると、米ブルームバーグ通信は今年1月末、「今世界は危険なほど台湾製半導体に依存している」と報じた。記録的な寒波で米国内での半導体生産が全面中断し、世界の主な自動車メーカーが相次いで台湾に支援を求めたからだ。
米半導体工業会(SIA)は今月1日、ボストン・コンサルティング・グループと共同で発表したリポートを通じ、「台湾のファウンドリー(受託生産業者)が1年間半導体を生産できない場合、全世界のIT企業で4900億ドル(約53兆円)規模の経済的損失が生じる」と分析した。さらに「台湾の半導体生産能力が永久にまひすれば、世界の半導体サプライチェーンは完全に崩壊し、それを再建するのに最低3年の時間と3500億ドル〈約38兆円〉の資金が必要になる」と試算した。
スマートフォン、テレビ、自動車から先端兵器システムに至るまで半導体を必要としない機器はないとされる時代。世界のシステム半導体の半分以上を生産する台湾の存在なくして、いかなる先端製品も成り立たなくなった。
実際に台湾は昨年、半導体生産額が前年比20.9%増の3兆2200億台湾元(約12兆4200億円)を達成。うち半分以上がファウンドリーによる生産分だった。台湾積体電路製造(TSMC)は最近、「(注文が殺到し)今後は大口の注文でも値引きはない」と発表した。他のファウンドリーは値上げを予告している。そのため、ファウンドリーが占める割合はさらに高まりそうだ。値上げされたとしても、まずは半導体の確保が急務の取引先は、ファウンドリーに苦言を呈することができない立場だ。
台湾はファウンドリー以外にも半導体をチップに加工する半導体後工程とファブレス分野でも世界的な競争力を確保している。昨年、台湾は半導体後工程分野で世界1位(シェア30%)を占め、業界代表格の聯発科技(メディアテック)が善戦したファブレス分野でも世界2位を記録した。聯発科技は昨年、スマートフォン用チップセットで米クアルコムを抜き、シェア世界1位に躍進した。
韓国科学技術院(KAIST)電機・電子工学部の金禎浩教授は「韓国は異常なほどに後工程分野には関心がなく、最近マグナチップなどファブレス企業が中国系のプライベートエクイティファンドに買収される危機に直面した。韓国もメモリー半導体への依存度を速やかに抑えるべきだ」と指摘した。(編集/日向)
Record China 2021年4月18日(日) 21時10分
https://www.recordchina.co.jp/b874970-s25-c20-d0059.html