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「新しいチャレンジができるなら手を挙げたい」RIZIN榊原信行CEOが武尊にラブコール
現役続行を明言した武尊
格闘技イベント「RIZIN」が、キックボクサーの武尊(31)に〝エール&ラブコール〟だ。6日に米子ジム主催興行「GAINA魂」(鳥取・米子市公会堂大ホール)で晃貴とのエキシビションマッチに出場した武尊は、復活を印象づけて現役続行を宣言した。そんなカリスマに、同日開催された「RIZIN LANDMARK4」(愛知・ドルフィンズアリーナ)で躍動した元K―1戦士や榊原信行CEO(58)から熱い言葉が送られた。
6月19日の「THE MATCH」(東京ドーム)で那須川天心に敗れて以来、約5か月ぶりの〝復帰戦〟で魅せた。右拳と右ヒザを手術し、米ロサンゼルスでトレーニングに励んできた武尊は、ブランクを感じさせない鋭い打撃で観客を魅了。ミドルキックを受けると、いつもの笑顔を見せてから容赦ないストレートを放つなどして会場を沸かせた。
試合後は進退について「勝った姿を見せて終わりたいなと思っているので、現役を続行する」と明言。10月31日付でK―1と所属ジム「KREST」との契約を解除した理由を「団体、国の壁をなくして、世界の格闘技界が一つになる、もっと盛り上がるための第一歩」と海外での試合出場にも意欲を見せた。
そんな武尊についてRIZINの榊原CEOは「何よりも引退しなかったというのが日本の格闘技界にとって良かったなと思っています」と安堵の表情を浮かべる。
そして〝合体〟の可能性について「この後、K―1さんと(武尊が)どういう形になるのかでしょうね。K―1さんと何か取り組みを考えているのか。あるいは我々と一緒に何か新しいチャレンジができるなら、ぜひ手を挙げたいと思います。僕らがやれることは何でもしたい。彼の意思次第だと思います」ときっぱり。「我々と歩む道が少しでもあれば素晴らしいし、そうでなかったとしてもエールを送りたい」と続けた。
さらにこの日の大会では、武尊と同じ元K―1ファイターの奮闘が目立った。第1試合では、元ウエルター級王者の久保優太が奥田啓介にTKO勝ち。メインでは平本蓮が総合格闘技(MMA)では格上の弥益ドミネーター聡志を完封して判定勝ちを収めた。2人も武尊の背中を押す。
久保は「新生K―1イコール武尊みたいなところがあったのでビックリしたんですけど…。同じK―1で頑張ってきた選手として、いい格闘技ライフを、悔いなく送ってほしいと思います」と理解を示す。
今後については「個人的に格闘技マニアとして言わせてもらうとONEのロッタン(ジットムアンノン)とか(ジョナサン)ハガティーとか、海外の立ち技の強豪選手との戦いを見たいっていうのはあります」と期待を込める。
MMA転向もささやかれるが「自分が挑戦して、別競技というか、めちゃくちゃ難しいと感じていて。〝失敗作〟というかそういうのは自分だけでいいかなって(笑い)」と自嘲気味に語った。
また、昨年末に武尊のジムでスパーリングをしている平本は「K―1をつくり上げようとして、本当に一生懸命やってきた人だと思うので幸せになってほしいです。いい人生を切り開いてほしい」と願う。
これまでK―1を背負い戦い続けてきた武尊に「ファンの意見につき合わずに、自分の本当にやりたいことを貫いてほしいです。たとえ負けても誰も武尊さんのことを忘れないから、自由に頑張ってもらいたい。K―1も武尊さんが正式にいなくなって、結構踏ん張りどころだと思うので幸運を祈ってます」とした。
新たな船出となった武尊はどこへ向かうのか。その決断に注目が集まる。