実在の日本人捕虜が周囲に希望をもたらす伝記映画
二宮和也が11月8日、都内で行われた主演作「ラーゲリより愛を込めて」の完成披露イベントに出席した。シベリアの強制収容所(ラーゲリ)に抑留された実在の日本人捕虜が、周囲に希望をもたらす伝記映画。自身が希望をもらったのは「事務所のえらい人に言われた言葉」だと明かし、「8年間くらい『今年は忙しくなるぞ』って。なかなか忙しくならなかったが、根拠のない言葉に救われたことも。なにくそ根性で頑張れたし、辞めないで良かった」と激励に後押しされた若手時代を振り返った。
原作は作家・辺見じゅんのノンフィクション小説「収容所(ラーゲリ)から来た遺書」。第2次世界大戦後の1945年、シベリアの強制収容所に抑留された日本人捕虜たちが過酷な状況下に置かれるなか、山本幡男(二宮)は日本にいる妻や子どもたちのもとへ必ず帰れると信じ、周囲の人々を励まし続ける。山本の仲間思いの行動と力強い信念は、多くの捕虜たちの心に希望の火を灯していく。
イベントには二宮をはじめ、妻・モジミ役の北川景子、共演する松坂桃李、中島健人、桐谷健太、安田顕、瀬々敬久監督(「護られなかった者たちへ」「糸」)が出席した。豪華なキャストが揃い、二宮は「一つのシーンに(男性陣)全員が収まっている。こんな贅沢な使い方は、もう見られないんじゃないかなと思う」と今も興奮しきり。
さらに「自分で言うのもなんですが、20代、30代、40代だけで、ここまでの作品をつくりあげられたのが魅力。もちろん、史実に基づく作品なので、いろんな世代や価値観があって当然ですが、そこだけの(年齢)層で、これだけの厚みが出たのは、すごいなと思う」と強い手応えを示した。
そんな二宮の言葉を受けて、北川も「男性陣が命を削ったお芝居がすごくて」とほれぼれした様子。収容所の撮影を見学しようとすると「二宮さんに来ない方がいいと言われた」(北川)、「北川さんが来ちゃうと、男性陣が変な頑張りしちゃうから」(二宮)。ちなみに希望をもらった言葉は「DGDG」だと明かし、「出演した作品を夫に見てもらうと、DAIGO大号泣と言ってくれる」とノロケ話も飛び出した。
最年少で収容所のムードメーカー的存在・新谷健雄を演じる中島も「俳優界のアベンジャーズに、自分がいてもいいのかという思い。自分としてはスパイダーマン的ポジション」と豪華な顔ぶれにおける、自身の立ち位置に武者震い。「一生に一度の機会だという思いで、この撮影に臨んだ」と思い入れの強さを語っていた。
「ラーゲリより愛を込めて」は、12月9日に全国東宝系で公開。
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