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“人治主義”の韓国は梨泰院事故で内政混乱必至…経済苦境で日米中との関係はどう変わるか 佐藤正久氏、真田幸光氏、鈴置高史氏
◆梨泰院の事故の影響で、韓国内政の混乱は避けられず
新美有加
10月29日、韓国ソウル・梨泰院で156人が死亡した事故について、現在韓国のメディアなどでは事故当日の警察による警備が不十分だったことや、違法建築によって道幅が狭くなっていたことなどが指摘されている。事故を受け、尹大統領は「国政の最優先は事故の収拾と対応措置。韓国社会は群衆管理に対する体系的な研究開発が不十分」と発言。セウォル号事故では当時の朴槿恵(パク・クネ)大統領が対応を批判されたが、今回の事故の尹政権への影響は。
鈴置高史
案外大きい影響が出てきた。今回は行政の責任がはっきりしており、警察もソウル市役所も明らかに手抜きだと認めている。大統領を弾劾したい勢力は勢いづくだろう。韓国の保守の中にも、弾劾後の選挙でもっとまともな保守政権を作ればいいというコンセンサスがある。
真田幸光
本当に弾劾まで向かえば韓国の社会の安定が崩れ、もちろんマーケットにとってはマイナス材料。ただ、今の世界の混乱の中で韓国経済・金融を叩いてマーケット全体にメリットがあるのかという議論もある。韓国経済が崩れて、中国やロシアにいっそう寄っていってしまうリスクも金融市場は考えている。
佐藤正久
韓国野党は恐らく、批判の矛先を相当に大統領の方に向けると思う。韓国には国政監査という超党派の常任委員会による政府への監査があり、11月8日には大統領府に対して行われる。国会では野党の数が多く、超党派とはいえ野党勢力の強い監査が大統領府に入る。今までに野党の代表である李在明(イ・ジェミョン)氏の側近が警察に捕まるなどいろいろやられており、野党は巻き返しの絶好のチャンスと見る。恐らく韓国の内政は混乱する。
(続く)
BSフジLIVE プライムニュース
2022年11月4日 金曜 午後6:00
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