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【韓国梨泰院圧死事故】主催者がいないから責任はない?法曹界「国の責任は大きくなる」「100%国家賠償責任認められる」
「災難および安全管理基本法」(災難安全法)は政府・地方自治体が災難および各種事故予防の責任を負うようにしており、警察官職務執行法は警察が国民の生命と身体に危害を及ぼす危険に対して予防措置を取るように明文化しているためだ。特に主催者がいない行事である場合、国の責任はもっと大きいという理由でだ。
専門家は「政府が予防努力をしていないことが立証される場合、犠牲者に対して国家賠償責任を負わなければならない」とも指摘する。
◆専門家「100%国家賠償責任認められる」
大型災難事故捜査の経験が多い検事長出身の弁護士は1日、中央日報の取材に対して「行事主催者がいるのであれば責任を分散させることができるが、だからといって国の責任がなくなるわけではない」とし「かえって主催者がいないため政府の責任は大きくなる」と説明した。この弁護士はまた「毎年ハロウィンになると事故の兆候はあり、警察は防犯カメラを通じて交通および裏面道路(生活道路)の混雑状況などをリアルタイムで見ているではないか」とし「行政安全部と龍山(ヨンサン)区庁のうちどちらの責任が大きいかという問題にすぎず、国と地方自治体の損害賠償の責任は明らか」と話した。
行政安全部が翌日、龍山区を特別災難地域に宣言しながら今回の惨事を災難安全法上の災難および事故と公式認めた点も根拠だ。
(中略)
◆相次ぐ通報…マニュアルもあった
特に尹熙根(ユン・ヒグン)警察庁長官が公開した112市民の申告によると、事故発生約4時間前の午後6時32分、事故現場であるハミルトンホテルの路地で「今とても鳥肌が立っている。人が降りてくることができないのにずっと押し上げられてきて圧死させられそうだ。統制してほしい」という具体的な通報が入った。
事故2時間余り前、別の通報者は「あまりにも停滞して人々が押し合いへし合いしていて大変なことになって、転倒して大騒ぎになっていてケガをしている」と伝えた。
マニュアルもあった。行安部は2021年3月、瞬間最大観覧客1000人以上になると予想される地域の祭りに対して「地域祝典場安全管理マニュアル」を作った。行事期間には巡回査察活動を強化して、イベント前後の現場を常時点検し、危険要素などを確認するなど警察と消防の任務も特定した。だが、今回の梨泰院イベントの場合、主宰側がいないという理由で該当マニュアルが作動しなかった。
李祥敏(イ・サンミン)行安部長官は惨事翌日「光化門(クァンファムン)集会に警察兵力が配置された」と釈明したが、事故当日に警察に届け出られた集会・行事の内訳によると、多くの行事は事故が発生(午後10時15分)する随分前の午後に終了していたことが分かった。
◆法曹界、「特別法で遺族の補償を」
ある現職の部長判事(53)はこれに関連して「公務員が法的義務を果たさないなど過失が明らかになっているので、遺族に対する国家賠償には問題がない」としながら「ただし国家賠償訴訟の場合、生存者と家族に対する集団的トラウマを考慮せず、被害者に対する過失相計(過失相殺)などの可能性もあり、特別法制定を通した補償が行われるほうが合っている」と述べた。ただし、刑法上の職務放棄や業務上過失の適用については「国が惨事を非常に冷遇したとみるのは難しい」としながら可能性を低く予想した。
「警察と消防をあらかじめ配置することで解決できる問題ではなかった」という発言で論争を引き起こした李祥敏長官はこの日、「国は国民の安全に対して無限の責任があるにもかかわらず、今回の事故が発生したことに対して主務部署長官として国民の皆様に深くお詫び申し上げる」と言って頭を下げた。
呉世勲(オ・セフン)ソウル市長も「市民の生命と安全の責任を負うソウル特別市長として無限の責任を感じる」とし「深い謝罪の言葉を申し上げる」と述べた。
11/2(水) 13:34配信
中央日報日本語版
https://news.yahoo.co.jp/articles/2dfc21dc2dd3b5ef0310587160f487e3f3f7d8fe