阪神・佐藤輝明　スイングの再現性高める　吉田正の劇弾にヒント「全部芯で捉えている」

　阪神・佐藤輝明内野手（２３）が２８日、甲子園での秋季練習後に取材に応じ、オリックス・吉田正のように「再現性の高い」スイングを習得し、本塁打増を目指す考えを明かした。自主トレを共にしてきた先輩が日本シリーズ第５戦で放ったサヨナラ弾から、“ミート力”の大切さを学んだ背番号８。球界屈指とも言える左の強打者をイメージしながら、最高のスイングを作り上げる。

　興奮を抑えきれなかった。甲子園での練習後、佐藤輝が真っ先に口にしたのは２７日の日本シリーズについて。吉田正が劇的なサヨナラ弾を放ったシーンを挙げ「（フィリーズの）ブライス・ハーパー（みたい）。えぐいっす」と目を輝かせた。

　その上で本塁打増へのヒントを見い出した。１月中旬に２日間、共に行った自主トレの時から感じていたことは「再現性の高さ」。フルスイングしても軸（頭）がブレないフォームを保ち、コンタクト能力が高く本塁打も量産できる先輩に「球を捉える率が高いというか、全部芯で捉えているのがすごい」と尊敬のまなざしを向けている。

　吉田正がマクガフからサヨナラ弾を放った球は、１ストライクから高めに浮いたフォークを捉えたもの。「しっかり一球で仕留められるのはさすがです」と技術の高さに魅了された。

　シーズン中から「一球で仕留められる打席を増やす」というテーマを掲げていた佐藤輝にとって、最高のお手本と言える。今季、打率・２６４、２０本塁打、８４打点と本塁打以外は数字を上げたが、勝負どころで仕留めきれずファウルにしてしまう場面も多かった。

　「強く振ることは、率を残すために必要」と考える佐藤輝。本塁打増をテーマに、現在は体を大きく使ったスイングの習得を目指しているが、並行して構えの位置やバットの角度も確認するような姿も見られる。

　「もう一回打球を飛ばせるフォームを探そうかな、と。ホームラン数も減ったし、もっともっと打ちたい」

　“再現性”という言葉で語れるように、バットの軌道を安定させることができれば確実性が向上し、本塁打数も増えてくる。１１月の侍ジャパン強化試合後に、理想のスイングを追い求めて本格的な改造に着手する。