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東京六大学野球 4年間で2勝21敗、防御率5.75――東大・井澤駿介、どの世界に進んでも活力となる挑戦し続ける姿勢
東大の144キロ右腕・井澤は東京六大学通算40試合で2勝を挙げ、大学生活を終えた
東大は1998年春から続く最下位脱出をかけて、勝ち点0同士となる法大との最終カードに挑んだが2連敗。1勝10敗1分、勝ち点0で50季連続最下位が決まった。
144キロ右腕・井澤駿介(4年・札幌南高)は法大1回戦(10月22日)で7回1失点の力投も、チームは1対1の9回裏にサヨナラ負け(1対2)。2回戦(同23日)は0対5の9回表から救援し、1イニング無失点に抑えたが、最後の反撃はならなかった。
北海道屈指の進学校・札幌南高出身。3歳上の兄が同校野球部OBで、文武両道も志望理由だった。2年夏から主戦投手で同秋から背番号1を着けたが、私学の壁は厚かった。3年夏の南北海道大会は地区代表決定戦で北海高に敗退(5対11)。大学進学に際しては2000年夏、61年ぶりに甲子園に出場した際の主将・田畑広樹氏(現札幌南高監督)に相談した。「東京六大学、東大を目指しては、という話になりました」。夏には東大の練習会に参加し、神宮への思いが強くなった。1年間の浪人生活を経て2019年、赤門をたたいた。体力づくりの1年間を経て、井手峻監督が就任した2年春から投手陣の中心で回った。
3年秋の立大2回戦で、救援でリーグ戦初勝利。今秋の慶大1回戦では、6回2失点で先発としての初白星で、通算2勝目を挙げた。しかし、チームは2、3回戦と連敗して勝ち点奪取はならなかった。
「チームとしての目標は『最下位脱出』。そのためには、各校のエースと投げ合う1戦目に勝たないと、その目標は見えてこない。相手のエースは意識していました」
4年間で東京六大学リーグ戦通算40試合、2勝21敗、防御率5.75。
井澤は「春のリーグ戦が終わって、あらためて考えてみると、プロへの気持ちが大きくなっていったんです。あきらめられない。少しでも可能性があるならば」と、プロ志望届を提出。外野手の阿久津怜生(4年・宇都宮高)とともに指名を待ったが、10月20日のドラフト会議で、井澤の名前は呼ばれなかった。
卒業後の進路は、大学院へ進むことが一つの選択肢としてあるが「まだ、決めていない。野球を続けるかどうかも……」と明かす。井澤は大学4年間を振り返った。
「能力差がある相手に対して、(神宮デビューの2年春から)先発で勝つところまできた。試行錯誤、吸収して、目標に対しての取り組み方は、今後に生きると思います」
成功よりも、失敗のほうが多かったかもしれない。だが、地道に努力すれば、成果が得られるという喜びを、野球から学んだ。今後、どの世界へ進んでも、挑戦し続ける姿勢こそが、人生の活力となるはずだ。
文=岡本朋祐 写真=井田新輔
週刊ベースボール2022年10月24日(月) 10:31
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