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文前政権に捜査のメス 韓国検察が元国防相を逮捕 融和政策優先で北朝鮮に手心か 捜査の手が文氏に向かう可能性は十分にある
聯合ニュースによると、検察は22日未明、公務員射殺事件で徐旭(ソ・ウク)元国防相と金洪煕(キム・ホンヒ)元海洋警察庁長を職権乱用や虚偽公文書作成などの容疑で逮捕した。ソウル中央地裁が21日、地検が請求した逮捕状を審査していたが、地裁は「証拠隠滅と逃走の懸念がある」と拘束の必要性があると判断した。
検察は強制送還事件でも、19日に盧英敏(ノ・ヨンミン)元大統領秘書室長を出頭させて取り調べた。
■不可解な経緯
2つの事件は、いずれも文政権の「従北」政策に関係して不可解な経緯をたどった。
公務員射殺事件では、20年9月に行方不明になった韓国の男性公務員がその後、北朝鮮軍に射殺された。韓国軍は当初、「蛮行」と非難したが、1週間後に韓国海洋警察は「男性が自ら北朝鮮に渡ろうとした」とする中間捜査結果を発表し、幕引きが図られた。
19年11月の強制送還事件で、イカ釣り漁船内で船長ら16人を殺害して韓国側に逃げたとされる北朝鮮漁民2人を、韓国側が南北軍事境界線にある板門店で北朝鮮に送還した。2人は亡命意思を示したが、韓国政府は保護対象に当たらないと判断して、北朝鮮に引き渡した。2人はその後、処刑されたとみられている。
両事件では、南北融和を進めていた文政権が早々に事件の幕引きを図った疑いが持たれている。
聯合ニュースは強制送還事件で徐薫(ソ・フン)元国家情報院長、公務員射殺事件では徐元院長と朴智元(パク・ジウォン)元国家情報院長を取り調べる見通しと報じている。2氏については、国家情報院が7月、検察に告発している。
前政権の幹部に続き、トップの文氏にまで捜査は及ぶのか。
韓国に詳しい麗澤大学の西岡力客員教授は「射殺事件では文氏に報告が上がっていたのに、すぐに手を打たなかったことが分かっている。強制送還事件でも大統領府の国家安保室が関係していて文氏が知らないはずがない。国家情報院が告発していて検察も捜査はやりやすいはずで、捜査の手が文氏に向かう可能性は十分にある」と話した。
歴代大統領が次々と逮捕された韓国はまた、同じ道をたどるのか。
10/24(月) 17:00配信
夕刊フジ
https://news.yahoo.co.jp/articles/3b789875706ca0f54d63ca5db66a95acca8963ea